研究概要 |
人は緊急時に叫ぶ,物をたたく,手を振るなどの動作を行う.それらのうち,叫ぶ・物をたたく,手をたたく・言葉を発する,手振りで知らせる,などの信号処理について検討した. (1)音・音声による指令 マイクロフォン2個,音声認識ソフト(IBM)を用いて手のたたき音と音声(言葉)の方向をとらえる実験を行った.自動認識の結果を2次元ロボットへ与え,自動追尾をさせた.方向の判断には相互相関法を用いた.3年間の検討により,たたき音の回数,距離,方向を識別することができた.Wavelet解析が高速であるので,緊急信号はたたき音がよい. (2)光ファイバジャイロセンサを3個組み合わせ,手振りの3次元動作を計測する手振りセンサを作成し,ノイズの小さい,きわめて正確な角速度信号を得ることを確かめた.また,それによって機器が制御できることも確かめた. (3)手振り画像 人は手招き,追い払い,いやいや,ばいばいなどの手振りで意思を伝達する.振りのよく似た手招きと追い払いの識別が問題である.誤認識を避けなければならない.そこで,DPマッチング法をモディファイした方法を考案し,認識率を80%に上げることができた.しかし20%は間違う.そこで厳しい判定方法を取ることにより,正しい認識率は69%であるが,誤認識率を4%に押さえることができた.
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