| 研究概要 |
本研究により,以下の成果を得た。
(1)電流軌跡位置推定方式の高精度化方法の明確化
位置推定誤差をたとえば1/5にするには,データ個数なら10倍以上増やす必要があるのに対して,電流検出用AD変換器のビット数を増やす場合は2ビット増やすだけでよいことを実験結果およびシミュレーションにより明らかにした。
(2)電圧形インバータの直流電圧の制限を緩和する位置推定アルゴリズムの開発
従来は二相正弦波電流を注入していたが,本研究により一相正弦波電流のみで一推定する方式を新たに提案した。一相注入はインバータが出力すべき電圧が少なくて済み,直流電圧制限を緩和できるという長所がある。
(3)突極比が小さい表面磁石形PMモータへの位置推定法の拡張
突極比が大きい埋め込み磁石形PMモータだけでなく,それより突極比が1/10以下と小さい表面磁石形PMモータへの適用できるように位置推定法を拡張した。新たに開発した方法は,磁石による磁気飽和を利用しているため,磁極の方向だけでなく絶対位置も推定できるという特長がある。
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