研究概要 |
本研究では、先に開発した位置推定法を用いて新しいIMPモータの駆動システム(3.7kW)を試作し、実験的検討を行うことを目的とている。 IMPモータの駆動システム(3.7kW)の設計・試作を行なった。高調波電流の検出ハードウェアとPWM信号発生ハードウェアならびにそれらのインターフェース回路のの設計・製作を行ない,DSPを用いたディジタル制御系を独自に開発した。このシステムは,位置推定に必要なPWMインバータのリプル電流を効率的に取り込むことの可能なハードウェアをPLDを用いて実装している点に特長がある。さらに,先に提案した位置推定法に適するPWM制御法において,重み係数という概念を導入することでインバータの電圧利用率を15%改善できることを実験により示した。 一方,MATLAB/Simulinkを用いたシミュレーションにより電流制御の有無による制御特性の差違について検討を行った。電流制御のない従来のシステムでは、d軸電圧を0にしてもd軸電流を完全に0にすることはできないこと,電流制御を付加することで電流応答が高速化されるのみならず速度制御および位置制御系の安定化にも有効であることを確認した。さらに,ディジタル制御される電圧形PWMインバータをMATLAB/Simulinkで利用可能な可変離散時間系として扱うことで,高速・高精度のシミュレーションが実現可能なシミュレーション手法を開発し,その妥当性・有用性を確認した。本手法を用いることで,従来のシミュレーションにおいて演算誤差のために発生していた推定位置の誤差をなくし,しかも従来の方法に比べて100倍以上高速に演算可能である。
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