研究概要 |
本研究では、格子定数aと電気機械結合係数k_<12>の相関および構成元素の生成範囲をもとにA_3BC_3D_2O_<14>型複合酸化物についてLa_3Ga_5SiO_<14>,La_3Nb_<0.5>Ga_<5.5>O_<14>,La_3Ta_<0.5>Ga_<5.5>0_<14>のAサイト置換およびA,B,C,D全サイト置換を行い新物質の合成および結晶構造と圧電特性の関係の解明を試みた。固相反応による組織探索、μ-PD法マイクロ結晶作成による単結晶化の詳細検討を経て、最終的にはCz法によるバルク単結晶の作成に成功した。また、陽イオン置換がA_3BC_3D_2O_<14>型結晶の結晶構造および圧電特性に与える影響を明らかにした。以上をまとめると次のようになる。 1.Aサイト・A,B,C,D全サイト置換により、A_3BC_3D_2O_<14>型構造を持った新しい複合酸化物La_<3-x>AE_xGa_<5-x>Si_<1+x>O_<14>、La_<3-x>AE_xNb(Ta)_<0.5+x/2>Ga_<5.5-x/2>O_<14>、Sr_3Nb(Ta)Ga_3Si_2O_<14>、Sr_3TaGa_3Ge_2O_<14>を見出した。 2.見出した複合酸化物に対して、Aサイト置換によるLa_<3-x>Sr_xTa_<0.5+x/2>Ga_<5.5-x/2>O_<14>(x=0.25)、全サイト置換によるSr_3NbGa_3Si_2O_<14>、Sr_3TaGa_3Si_2O_<14>の組成で単相の単結晶が得られた。 3.見出した複合酸化物に対して、Cz法によるバルク単結晶の作成を試み、La_<3-x>Sr_xTa_<0.5+x/2>Ga_<5.5-x/2>O_<14>(x=0.1554)、Sr_3TaGa_3Si_2O_<14>バルク単結晶が得られた。 4.La_<3-x>Sr_xTa_<0.5+x/2>Ga_<5.5-x/2>O_<14>(x=0.1554)、Sr_3TaGa_3Si_2O_<14>はLa_3Ta_<0.5>Ga_<5.5>0_<14>より大きな格子定数aを示し、圧電特性を測定した結果、電気機械結合係数はLa_3Ta_<0.5>Ga_<5.5>0_<14>とほぼ同程度の値を有することがわかった。 5.各A,B,C,Dサイトにおいて2種類以上の陽イオンが1つのサイトを占有していると電気機械結合係数の増加を妨げるという結果が得られた。 6.作製した結晶からデバイスを種々のデバイスを作製し,その特牲を明らかとした.
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