研究課題/領域番号 |
10650326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 九州共立大学 |
研究代表者 |
野沢 忠生 九州共立大学, 工学部, 教授 (10268790)
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研究分担者 |
生地 文也 九州共立大学, 工学部, 教授 (00093419)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
2000年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1999年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1998年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 強磁性多層膜 / 磁気ヘッド / 高飽和磁化 / 交換相互作用 / 磁高異方性 / FeCoV / FeNiMo / 低保磁力 / 強磁性薄膜 / 飽和磁化 / 保磁力 / 3d遷移金属 / 4f遷移金属 / Gd / 磁壁移動 / 磁気異方性 / 磁壁 |
研究概要 |
従来の研究(研究課題番号:06650376;研究代表者:権藤靖夫)に端を発し、強磁性層間の直接交換相互作用による交換結合2層膜に関する研究の過程で、まさに幸運にも、最強磁化を有するFeCoV薄膜のソフト磁性化に関するシーズに遭遇した。この現象に着目し、実用化及びソフト磁性化のメカニズムに関して多くの探索をおこなってきた。現在までの結果を、以下に簡略に記述する。また、3d/4f遷移金属多層膜の極低温電子・磁気物性研究も開始している。 (1)微量FeNiMoと二層膜化されたFeCoV及びFe50Ni50膜の保磁力が単層膜の保磁力の約1/10以下になること、また残留磁化も大きく減少する。さらに、適当な熱処理によって、保磁力が約1/30以下になる。最適熱処理条件の探索によって、熱安定性に優れた高飽和磁化(25kG)・低保磁力(1.0e以下)・異方性磁界(約500e)・低残留磁化強磁性膜の開発が期待できる。高周波励磁(1Mega Hz以上)においても高透磁率が得られることが確認された。 (2)微量ソフト磁性層とFeCoV及びFe50Ni50との二層膜では、下地層磁化の異方性がセミハード膜の保磁力減少効果に強く関わっていることが判った。 (3)さらに、下地層の磁化の異方性と第2層の磁化の異方性の有り無しが保磁力減少効果に関与することも示唆された。この現象の内容に関しては、検証が不十分であり、さらなる検討を必要とする。 (4)保磁力減少効果と極薄FeNiMo層の磁化特性の異方性と第2層の磁化特性の異方性との相互作用との関係に関する実験的検討を進めると共に、微量FeNiMo層のFeCoV膜等の構造変化への影響があるのかどうかの確認を行う。 (5)下地ソフト磁性層の磁化の異方性とセミハード第2磁性層の磁化の異方性との磁気的相互作用の可能性に関して理論的考察を展開中である。 (6)さらに、極低温で強磁性を発揮する4f遷移金属のソフト磁性化に関する探索研究をスタートさせた。3d遷移金属で得られた上記の結果が活用できるかどうかの可能性を探索研究の初めとする計画である。この研究のために、液体He温度で磁化測定できる装置を試作した。磁化測定感度0.0025emuで極低温測定が可能である。さらに、この温度での磁気抵抗効果測定装置を試作する予定である。
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