研究課題/領域番号 |
10650328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
野村 滋 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10002859)
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研究分担者 |
福田 永 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10261380)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 極薄シリコン酸窒化膜 / 急速熱処理 / 一酸化二窒素ガス / デバイスプロセス / シリコンテクノロジー |
研究概要 |
本報告は赤外線ランプ加熱による急速熱処理技術(RTO技術)を用いて、N_2Oガス雰囲気中、種々の条件で、10nm以下の極めて薄いゲート酸化膜の形成を行い、形成された膜の物理的性質と電気的特性の評価を行い、膜形成機構の解明を行うことを目的とした研究結果に関するものである。膜厚、電圧一容量特性、界面準位密度、絶縁破壊特性等の測定、および、酸化膜中の窒素および水素原子の挙動を、二次イオン質量分析法、フーリエ変換型赤外分光法により解析し、膜形成条件の確立と形成機構の解明を併せて行った結果について述べている。また、極薄酸化膜の構造および界面構造を高分解能透過型電子顕微鏡、走査トンネル電子顕微鏡を用いて原子レべルで評価した。酸化膜中の電荷トラップ機構、捕獲断面積、電荷トラップの発生速度等およびバルク酸化腹中の化学結合状態との関係を検討した結果、高品質化の要因が明らかとなった。 酸窒化膜の成長は、通常の酸素中での酸化の場合にみられる線型放物線則には従わず、シリコン表面の酸化サイトが時間とともに減少しながら酸化する別の機構によることが明らかとなった。これらの酸窒化膜の化学エッチングプロファイルを調べてみると、酸窒化膜バルクに比べ、酸窒化膜-シリコン界面でエッチング速度の低下がみられた。このことは、酸窒化膜-シリコン界面近傍に窒素濃度の高い層が存在することを示している。酸窒化機構としては、酸化初期ではN_2O分子がシリコン表面と直接速い反応を引き起こすが、酸窒化が進行するにつれて界面における窒素含有の多い層が形成されるため、酸化サイトが減少し、酸化の拡散が抑止される反応中和モデルが適用されることが明らかとなった。
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