研究課題/領域番号 |
10650348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
岡村 総一郎 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (60224060)
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研究分担者 |
安藤 静敏 東京理科大学, 理学部応用物理学科, 助手 (20251712)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 強誘電体 / 微細加工 / 電子線描画 / 化学溶液堆積法 / FeRAM / 酸化物 / 不揮発性メモリー / 電子線誘起反応 / FT-IR |
研究概要 |
我々が提案している電子線誘起反応を利用した複合酸化物の微細加工プロセスに関し、電子線誘起反応のメカニズムの解析ならびに強誘電特性を発現し得るパターンを作製するためのプロセスの検討を行った。電子線誘起反応のメカニズムの解析に関しては、まず電子線照射による前駆体薄膜中の化学結合の変化をFT-IRにより分析した。また、電子線照射により前駆体薄膜から発生するガスの分析を質量分析器を用いて行った。以上の結果より、以上より、電子線照射により前駆体R-COO-MのR-COOM及びCO-OMの結合が切断され、有機基の一部はガス(CO及び炭化水素)となって脱離し、金属原子はプロトンを結合してM-OHの形で残留し、親油基を失うので有機溶剤に対して不溶となると結論づけた。電子線に対する露光感度は、前駆体の有機基の部分によって変化し、ナフテン酸金属塩では2.5×10^<-3>C/cm^2、オクチル酸金属塩では1.5×10^<-4>cm^2であった。このオクチル酸金属塩の露光感度は、電子線に対するレジスト材として一般的なPMMAとほぼ同等の値であった。有機基の部分の構造を検討することで、より高感度の前駆体材料を開発することができるものと思われる。電気的特性に関しては、これまではリーク電流が大きく評価できなかったが、本焼前に上部白金電極を堆積し、パターンとし一括して焼成することで大幅にリーク電流を低減することに成功し、SrBi_2Ta_2O_9、Pb(Zr,Ti)O_3ともに良好なD-Eヒステリシス特性を観測することができた。また、電子線照射によりパターン化した方が、特性が改善されるという興味深い結果を得た。微細加工性に関しては、SEMを改造した描画装置においても線幅300nmのパターンを作製することが可能であった。描画に電子線を用いるので、100nm以下のパターンも容易に作製可能と思われる。以上より、本プロセスが強誘電体を始めとする機能性酸化物の微細加工に有効であることが実証された。
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