研究課題/領域番号 |
10650381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
遠藤 哲郎 明治大学, 理工学部, 教授 (60247145)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 位相同期回路 / カオス同期 / 間欠カオス / 同期の破れ / 対称系 / RFカオスPLL / スペクトル拡散通信 / 擬似カオス / 対象系 / オンオフ間欠性 / 横断リアプノフ指数 / 不変多様体 / ラミナー分布 |
研究概要 |
4個の同様なPLL回路の相互結合系における同期とその間欠的な破れについて研究した。前年度の研究成果より、この系には同期状態に対応した4次元(全体は6次元系)の不変多様体H(=超平面)が存在し、カオス的解軌道がH上に拘束されたときカオスの同期が達成されることが分かっている。さまざまなパラメーターにおけるシミュレーション実験の結果、完全な対称系(すなわちすべてのPLLが同一)の場合は、中程度以上の結合係数において弱いカオスの場合に一応カオス同期が実現されることが分かった。しかし、系の対称性が崩れるとしばしば間欠的な同期の破れがおこった。実験においては不可避的にある程度、個々のPLLにばらつきが生じるため完全なカオス同期を達成することは現在のところ困難のようである。一方, 本研究の副産物として、カオス的搬送波に適した新しいタイプのPLL回路を見出した。これはRF帯域で広帯域のカオスを安定して発生できると考えられるため、スペクトル拡散通信への応用が期待される。また、デジタル系におけるカオス通信システムへの応用を試み、一定の秘匿性をもつ、実用的な固定小数点方式のDSPを用いて高速な(擬似)カオス通信を実現する研究も行い、一定の成果を得た。今後、デジタル計算のような有限桁計算における(擬似)カオスの秘匿性とその応用について研究に取り組んでみたいと考えている。
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