研究課題/領域番号 |
10650385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
岡田 博美 関西大学, 工学部, 教授 (10093387)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 階層型自己組織網 / 無線アドホック網 / 伝送誤り制御 / 無線アクセス / マルチキャスト通信 / 送信電力制御 / DQRUMA / PAR方式 / 分散ファイル配置 / 無線アクセス方式 / 無線パケット通信 / 自己組織網 / 無線ネットワーク / PRMA / PAR |
研究概要 |
無線チャネルを基盤とした将来の情報通信ネットワーク構築技術として、IPパケット・ATMセルをアドホック網で伝送する形式が大いに注目されている。本研究は防災網、工場・キャンパスLANなどを対象に、階層型自己組織方式を用いた高信頼性無線ネットワーク構築を主眼としたものである。本研究全体の成果をまとめると以下となる。 1)無線データの伝送誤り制御として、ARQ、FEC、ビットインターリーブの3基本方式を組み合わせ、伝送路通信状態に応じて最適な方式あるいはその組み合わせを選択する動的誤り制御方式を提案し、拡張フリッチマン型チャネルモデルにおいて性能評価し、有効性を確認した。 2)階層型自己組織網プロトコールとして、粗に配置された基地局から順次リンクを確立するチャネル配分形式に注目し、ホップ単位、ツリーの方向単位、他リンクとの非干渉性重視の3つのアルゴリズムを提示して通信性能比較を行い、隣接リンクとの干渉を考慮した配分形式が最も優れていることを示した。 3)マルチメディアトラヒックに適したアクセス制御方式を各種検証した。まずTDMAならびにFDMA型通信環境に適する方式としてDQRUMA/PAR方式を提示し、旧来のDQRUMA方式ならびにPRMA方式に比べ、大幅な性能改善を得ることを明らかにした。 4)次に伝送品質やチャネル利用効率の優れたCDMA型通信環境においてさらなる性能改善を得る方式の検討を行った。この結果、PRMA/URNを新たに提示し、その通信性能を検証し、有効性を確認した。さらに本研究の過程で、新たにCDMA/CSMA/CF(Collision Free)方式を発案した。CDMA/CSMA方式自体は既に提案されたものであり、CDMA環境の各符号チャネルにおいてCSMA制御を用いて効率化を図り、今後有望なプロトコールと目されていたが、CSMA特有のパケット衝突が大きな課題であった。本研究ではこれに対して、パケット衝突を完全に回避するCFサブプロトコールを新たに提示し、上位プロトコールと複合することにより、極めて高性能な無線アクセス方式としてプロトコール化を図った。簡易な性能評価において、提案方式の卓越性を部分的に検証している。今後、CDMA/CSMA/CF方式のマルチメディア対応化が次の課題となる。
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