研究課題/領域番号 |
10650396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩井 俊昭 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (80183193)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 後方多重散乱光 / 拡散光トポグラフィ / モンテカルロシミュレーション / デコンボリューション法 / 光子拡散理論 / 光路長分布 / モンテカルロシュミレーション / 光子密度波 / 拡散光 / トポグラフィ / 血管造影 |
研究概要 |
1.後方多重散乱光の強度分布と光路長分布 ◯強散乱媒質中を散乱されながら伝播するレーザ光の振幅と強度のモンテカルロシミュレータの開発を行った。 ◯液中に吸収体がある場合とない場合の強度分布の空間特性と光路長分布の変化の関係を明示した。 ◯空間積分強度から、吸収物体の深度推定が可能であることを予想した。 2.スラブ状平板吸収体の1次元走査による形状計測 ◯直径460nmポリスチレン・ ラテックス粒子の1%溶液中に設置したスラブ状平板吸収体の深度測定に成功した。 ◯波長632nmのHe-Neレーザ光に対して、入・出射光の偏光関係には無関係であり、横および奥行き方向の空間分解能はそれぞれ1mmと0.2mm、測定深度は3mmであることを確認した。 ◯吸収体の端効果のために、エッジ部の深度推定に誤差を生じる可能性があることを示唆した。 3.3次元吸収物体の2次元走査による表面形状測定 ◯有限開口検出による空間積分強度の実時間検出、ロックイン増幅による高SN比増幅、および入射位置の2次元走査と強度信号の量子化を完全コンピュータ制御で1元化し、自動計測を実現した。 ◯直径460mポリスチレン・ ラテックス粒子の1%溶液中に液浸した階段状と変形ピラミッド状吸収体に対して、入射位置の2次元走査し、表面形状の像の再構成に成功した。 ◯液浸させた外形2.5mmの細管を皮膚下層組織内の血管に見立て,吸収率の異なる黒、赤、および青のインクに対して深度5mmの造影に成功した。 ◯拡散光トポグラフィ法による3次元物体の表面形状計測の高精度化・実時間化を実現し、血管分布の映像化技術の開発へ確実に結びつけた。 4.デコンボリューション法による再構成像の尖鋭化 ◯後方散乱光強度パターンを発生する強散乱媒質の点像分布関数を導出するためのシミュレータの開発を行った。 ◯強散乱媒質の点像分布関数の深さ依存性を明示し、この方向にシフト不変性が成り立たないことを証明し、拡散光 トポグラフィ法におけるデコンボリューション法の適用に関する問題点を明らかにした。 ◯最浅部で導出した点像分布関数をデコンポリューション法に適用し、再構成像のエッジ部の尖鋭化に成功した。 5.光子拡散理論に基づく像の再構成法 ◯光子拡散方程式の解析解を鏡像法を用いて導出し、後方散乱光の光路長分布を理論的に導出した。 ◯理論とシミュレーションで導出した光路長分布を使用して、3次元吸収物体の表面形状の再構成し、最大光路長と物体深度との関係の最適化を行った。 ◯最大光路長が物体深度の5次の多項式で近似することにより、シミュレーションと同程度の精度で再構成を行える事を示した。
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