研究概要 |
現在ロボットに使用されている力センサは,歪みゲージ式,導電性ゴム式,ピエゾ抵抗式,圧電式などアナログ出力のものがほとんどである.これらのセンサは,出力がアナログ量でレベルが微小なため,ストレインアンプやノイズ除去用ローパスフィルタを要することが多く帯域幅も制限されやすい.そこで,ノイズに強く,高速応答かつ信号処理の容易な水晶振動子を用いてつぎのような研究を実施した. (平成10年度) 1.水晶振動子の外力に対する強度を調べ,水晶振動子が機械的強度面でロボットセンサとして使用可能であることを明らかにした. 2.水晶振動子の振動外力に対する応答(動特性)を調べた結果,少なくとも2kHz程度までの振動外力に減衰することなく応答することを明らかにした. 3.水晶振動子を用いて滑り検出を行った結果,滑り特有のステックスリップの検出に成功した. 4.以上の結果に基づき,水晶振動子による把持力センサを試作した. (平成11年度) 1.平成10年度に作製した把持力センサを改良して,平面内でのあらゆる方向の外力に対して測定可能な4対の水晶振動子からなる把持センサを開発した. 2.改良した把持力センサを用いて,対象認識を行い所望の結果を得た. 3.水晶振動子により,滑り方向の検出を行った. (平成12年度) 1.水晶振動子式力センサを搭載したロボットハンドを用いて,把持制御と対象認識を行った. 2.本課題研究の成果報告を日本内外で行った. これらの成果は,第37,38,39回SICE学術講演会,IMEKO-XV,XVI World Congress,計測自動制御学会論文集35-6,36-8,電気学会論文誌E120-3で発表した.
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