研究概要 |
本研究の目的は連続鉄筋コンリート舗装版(CRCS)をベースとしたコンポジット舗装の構造設計法を開発し、そのシステム化を図ることにある。 2年間にわたって研究を行い,以下のような成果を得た。 1.平板有限要素法に基づいた構造モデルに、アスファルト表層の効果を考慮できるように拡張した。このモデルは平板要素を2重に重ね,リンク要素によって結合したものである。過去に行われた実験データを解析することによってモデルの検証を行った。 2.商用スプレッドシートを用いて,コンポジット舗装の構造設計システムの雛形を作成した。このシステムにおいては,コンポジット舗装の断面構成,路盤性状,交通条件,温度条件をスプレッドシートから入力し,これらのデータに基づいて疲労解析を行って疲労度を表示する。 3.アスファルト層によるCRCSの温度勾配の低減効果を,実験的,理論的に検討した。1年間にわたる舗装温度実測結果を逆解析することにより,熱解析に必要なバラメータを同定した。このパラメータを用い,いろいろな断面構成における温度低減効果について検討した。この結果に基づいて、構造設計に適用可能な温度勾配低減係数式を開発した。 4.CRCSの応力解析にはFEMを用いるが、設計にあたっては設計変数を変えた多くの計算が行わなければならない。そこであらかじめ大量のFEM計算を実行しておき、そのデータからニューラルネットワークを利用したCRCS応力計算システムを開発することを試みた。今年度までに、簡単な応力式について、この手法で有効性を確認するまでにいたっている。
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