研究課題/領域番号 |
10650486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
亀井 健史 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30177597)
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研究分担者 |
徳岡 隆夫 島根大学, 総合理工学部, 教授 (30025358)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 汽水域 / 堆積環境 / 完新世 / 地球化学的性質 / 地形 / 強度変形特性 / セメンテーション |
研究概要 |
日本の代表的な汽水域である松江平野・出雲平野において採取した柱状試料に対して行った一連の土質試験と地球化学的分析(CNS元素分析)を基に、その全硫黄濃度・全有機炭素濃度,全窒素濃度の深度分布を明らかにし、地球化学的層序区分の重要性を指摘し、その結果を基に定量的な観点から堆積物の堆積環境(淡水成・汽水成・海水成)を評価する上での堆積環境評価手法を構築することができた。 一方、土中にある炭酸カルシウム量をCNS元素分析結果から得られる無機炭素量から求め、原位置における土のセメンテーション効果を定量的に評価し、それと土の強度・変形特性との関係をある程度明らかにすることができた。また、海水準変動に伴う地形変化と堆積物と地盤工学的特性の変化との関係等を考察することにより、対象とした地域の現地盤に至るまでの環境変遷とそれと伴に形成された地盤工学的特性に対して学際的な評価を可能とした。また、本研究と既往のデータを総括することにより、地球化学的層区分の提案と地盤工学的特性の関係、CNS元素分析に基づいた堆積環境評価手法の構築、基盤から原地盤に至るまでの地盤の堆積環境変遷や地形変化を評価すること等の地盤に対する学際的評価が、土構造物を構築する際には極めて重要であることを指摘することができた。本研究の成果により、研究分野の新たな進展のみならず、実務的な面からも地盤工学的設計施工に有意な指標あるいは知見が示唆された。今後の地盤工学のさらなる発展を考えた場合、本研究で示唆したように地盤工学・地質学・地球化学・地理学といった従来は個々に研究されてきた専門分野の知見を融合することにより、地盤を学際的・総合的な視点から解明しようとする試みは必要不可欠となろう。
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