研究課題/領域番号 |
10650493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
成田 国朝 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90064956)
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研究分担者 |
奥村 哲夫 愛知工業大学, 工学部, 教授 (70078913)
木村 勝行 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (70064954)
大根 義男 愛知工業大学, 工学部, 教授 (00064931)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フィルダム / 遠心模型実験 / 間隙水圧 / 水位急降下 / 斜面安定 / 斜面保護工 / FEM解析 |
研究概要 |
貯水位変動に伴う盛土堤体内の間隙水圧挙動や応力変形・局部破壊の特性を明らかにするために、斜面を有する堤体模型に対して一定の遠心加速度の下で上流側水位を上昇・降下させる実験を行い、間隙水圧の伝播や蓄積・消散の過程について計算値と比較しながら現象解明を目指した。この結果、以下のことが判明した。(1)水位変動による堤体内の浸潤面形状の変化は遠心実験で概略推定でき、同条件で行ったFEM解析でも比較的良い精度で評価できた。(2)水位降下に伴って堤体内部には排水遅れによる残留間隙水圧が発生し、貯水位の降下が速いほど高い間隙水圧が蓄積するが、逆に上流側に近いほど間隙水圧が多く消散する傾向が見られた。つまり、降下速度の相違により残留水圧は堤体内部、特に中心部付近で蓄積が大きく、その相関関係が確認できた。この点はFEM解析でも実験結果をほぼ反映できる結果が得られた。(3)水位降下に伴う堤体内の間隙水圧分布をFEM解析により算出し、降下速度の相違による盛土堤体のすべり破壊を検討した結果、斜面の安定性には土の強度を低下させる残留間隙水圧以外に、外水面による貯水圧が多大な影響を及ぼす傾向が知れた。また、すべり面が深いほど水位降下に伴い安全率が加速的に低下することが確認できた。 関連して降雨に伴う斜面内浸透とすべり破壊の現象を調べ、以下の知見を得た。(1)遠心実験の観測によると、降雨により斜面表層部の飽和度が増加し、不飽和湿潤域が一定速度で降下する。この飽和度の高い領域は斜面先から基盤面に達して飽和域を形成し、時間の経過に伴いほぼ比例的に増大して盛土内部に進行する。(2)降雨強度の大きな降雨は短時間で斜面先に飽和域を形成するため、砂斜面では斜面先を通る小規模なすべりに関する安全率低下が著しい。粘性土斜面でも同様な傾向が見られるが、この場合は深いすべり面が最も危険になる。
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