研究概要 |
本研究は、鉄道駅など主要地点から任意の地点までの行きやすさ、バリアフリー度を表現、評価することを目的としている。そのため、本研究では車いす使用者ならびに視覚障害者の歩道通行時における交通抵抗モデルを構築し、これによって2点間の交通抵抗とその要因を計量評価するとともに、これを都市地図上で視覚化して、都市交通環境のバリアフリー度診断システムを構築を行った。 車いす使用者の交通抵抗要因としては,歩道の縦断勾配,横断勾配,段差等の歩道構造のほかに,交通量や信号の有無など交通状況による心理的要因のウェイトが大きいことが明らかとなった。また視覚障害者の交通抵抗については,要因として,安全に関する要因,現在地や進行方向に関するに情報収集要因の2種類があり,その内容として,前者については歩車道の分離や,路上障害物の有無,道路横断時における情報提供等の要因があることが明らかとなった。また後者については,音声信号などの交通安全施設以外にも,周辺の音環境,あるいは嗅覚環境によっても地点情報が得られていることが明らかとなった。 地理情報システムを利用してバリアフリー度を視覚的に評価する方法については、任意の歩行区間の情報として、縦断勾配や横断勾配、歩道の有無、段差の高さ、交通規制などの属性をデータとして取り込む方法について、さらに要因を説明変数とした交通負担モデルの結果を地図上の等高線として表現する方法を開発した。
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