研究課題/領域番号 |
10650553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
名和 豊春 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30292056)
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研究分担者 |
羽原 俊祐 太平洋セメント株式会社研究本部佐倉研究所, セメント化学グループリーダ(研究職)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | くし形高分子 / 高性能コンクリート / 化学構造 / セメントの種類 / 温度 / 練混ぜ条件 / 自己充填性 / 水和反応 / 主鎖ポリマー / グラフト鎖長 / 練混ぜ / C_3A(アルミネート相) |
研究概要 |
本研究は、高い減水性能を有するくし形高分子を用いて、高強度、高流動、高耐久性を可能とする高性能コンクリートを安定して製造できる新しい高減水性の混和剤を開発することを目的としており、セメントペーストの流動性に及ぼすセメント、温度および練混ぜ等の影響について検討し、くし形高分子の化学構造の最適化を図った。また、セメントペーストの結果をコンクリートでも確認した。本研究で得られた主な結果は以下の通りである。 (1)くし形高分子の主鎖ポリマーをメタクリル酸とした方が、無水マレイン酸としたものに比べ、同じ固形分添加量でのペーストの流動性が大きく、またセメントの水和を遅延しない傾向が確認された。 (2)主鎖ポリマーをメタクリル酸とした場合には、グラフト鎖長を増大させるほどペーストの流動性は向上した。 (3)メタクリル酸を主鎖とするくし形高分子は、一緒に使用するセメントの種類、温度および練混ぜの影響を受けづらく、さらにグラフト鎖が長いほど、セメント種類や温度の影響が少ない結果となった。 (4)くし形高分子を用いたコンクリートのフレッシュ性状は、セメントペーストと同様な傾向が認められた。すなわち、主鎖がメタクリル酸でグラフト鎖の長い高性能AE減水剤が、最も少ない添加量で高い分散性能を発揮し、流動性が高く、良好な自己充填性能を満足することを確認した。 以上の結果より、メタクリル酸を主鎖とするグラフト鎖が長いくし形高分子は、使用するセメントの種類、環境温度および練混ぜなどの影響を受けないで、安定したコンクリートの供給ができ、さらに高い減水性能と少ない水和遅延性という相反する性能を満足することが見出された。
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