研究課題/領域番号 |
10650558
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
小林 克巳 (小林 克己) 福井大学, 工学部, 教授 (40150297)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | プレキャストコンクリート / 柱 / モルタル充填式継手 / せん断補強 / 付着割裂 / ダボ / 変形性能 / プレキャスト / 変形能力 / プレスキャスト |
研究概要 |
柱脚のヒンジ領域に継手が集中するPCa柱部材の変形性能が低下するのは、主筋比が大きくなってせん断力レベルあるいは付着応力レベルが大きくなる時の可能性が大きい。継手部分の付着力が期待できない場合には、主筋の有効付着長さが短くなり、ダボ作用も加わって付着割裂破壊を起こし易く変形性能が低下すると予想され設計上大きな問題となる。 主筋と継手のひずみ測定に重点をおいたPCa柱の実験を行った結果、継手部分の剛性が大きいために主筋降伏以前でも最大ひずみの生じる位置が継手上端部付近にくる場合があり、主筋の有効定着長さが短くなることが確認された。そこで、集約せん断補強筋を配筋すれば、せん断耐力の向上だけでなく付着割裂破壊を防止して変形能力の向上が期待できると考え、集約せん断補強でどのレベルまで付着割裂耐力を向上できるか確認する実験を行った。集約補強筋量に相当するせん断補強筋を均等に配置しただけの効果はないが、集約補強筋量に比例して付着割裂耐力が上昇し、均等配置のせん断補強量に換算して0.2〜0.4%の効果が確認され、集約せん断補強筋によって付着割裂耐力を向上できることが分った。 載荷装置の能力から1/2〜1/3模型とし、通常の設計方法でモルタル充填式継手を有するPCa柱試験体のせん断設計を行ったが、予想通り過密配筋となるためせん断補強量を必要量の3/4とした。不足分を集約せん断補強筋として配筋する実験を行ったが、必要せん断補強量まで集約せん断補強筋で補えば、良好な変形能力を示すことが分かった。比較のために、集約せん断補強しないで、必要せん断補強量を従来の方法で配筋した実験も行ったが、この場合の変形性能とも変わらなかった。載荷装置の能力で主筋量と軸力の大きさに制限を設けざるを得なかった。今後、せん断力レベルと軸力レベルを変えた実験を行い集約せん断補強を効果的に利用する必要がある。
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