研究課題/領域番号 |
10650634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
植田 宏 熊本大学, 工学部, 助教授 (00117334)
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研究分担者 |
北野 隆 熊本大学, 工学部, 教授 (70040409)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 日本絵画 / 絵巻物 / 建築空間 / 図形科学 / 斜線角度 / 視線 / 俯角 / 方位角 / 吹抜屋台 / 視線方向 / 斜線 / 吹板屋台 |
研究概要 |
12世紀から15世紀にかけて多くの絵巻物が作成されている。そこでは、建築空間が正面は矩形、側面、水平面は平行四辺形の形で表現されたり、3つの面が平行四辺形で表現されたりしている。前者の描き方は、図形科学における平行投象の中の斜投象、特にカヴァリエ投象に似た描き方である。 この研究においては、その点に着目し、水平面上に想定される正方形が、直立した画面にどのような図形(平行四辺形)で描かれるかについて、図形科学の観点から作者の視線方向を探り、建築空間を絵画表現する際の特徴を探った。 これまでに物語絵巻、経説絵巻、説話絵巻、縁起絵巻に分類される42作品を分析した。ただし、縁起絵巻に分類される13作品については、視線方向に関する分析は行っていない。 今回の分析の結果、次の特徴を指摘できる。 縁起絵巻を含めた42作品の構図について、 1.右斜線図65.5%、左斜線図22.7%、両斜線図11.1%、交差斜線図0.6%。 2.吹抜屋台は場面数に対し25.9%、その中で物語絵巻が47.2%、縁起絵巻34.1%。 縁起絵巻を含めた42作品の斜線角度について、 3.時代が下るに従って、僅かではあるが小さな値への傾向が見られる。 4.両斜線図の角度の方が、片斜線図より小さな角度を取る。 5.物語絵巻の斜線の平均角度はα、βともに経説、縁起絵巻より大きな値をとる。 6.縁起絵巻においては角度の取り方のばらつきが大きい。 縁起絵巻を除く29作品の視線方向について、 7.右、左斜線図とも、経説絵巻は小さな俯角で、より90°に近い方位角で描かれている。 8.両斜線図は、物語絵巻は高い位置から、画面にほぼ90°の向きに、経説絵巻は低い位置、様々な方位角から描かれている。 9.13世紀前半はばらつきが大きいものの、低い位置で、90°に近い方位角から描かれている。
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