研究課題/領域番号 |
10650655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
清水 謙一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60029832)
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研究分担者 |
岸 陽一 金沢工業大学, 工学部, 講師 (70265370)
矢島 善次郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60148145)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ベイナイト / 相変態 / 原子拡散型 / 原子変位無拡散型 / Cu-Zn-Al合金 / 炭素鋼 / 高分解能フラクトグラフィ / 高分解能フラクトグラフイ |
研究概要 |
ベイナイト変態は最終的には原子拡散機構によるが、核生成と成長の初期段階では原子変位型無拡散機構が関与したとする考え方および核生成から成長終了まで終始原子拡散機構が関与したとする考え方の2つの説がある。どちらの説が正しいのかを判定するのが本研究の目的であるが、具体的にはベイナイト-母相界面における原子拡散の有無を、界面に沿って起きた破面の高分解能走査電子顕微鏡(SEM)によるフラクトグラフィとEDX元素分析ならびにX線回折によるひずみ解析によって詳細に調査した。 平成10年度はJIS規格がS25CおよびS55Cの炭素鋼でベイナイトと母相(焼入れ中にマルテンサイト化)から成る試料を、平成11年度はCu-28.3Zn-6.0Al(at.%)(EDX分析値)合金のベイナイトと母相から成る試料を、上述の高分解能SEMによるフラクトグラフィとEDX元素分析により調べた。平成10年度の炭素鋼については報告済なので、以下にはCu-Zn-Al合金について調査結果を述べる。 ベイナイト-母相界面に沿う破面の高分解能SEMにはベイナイトと母相の体積分率が適当でなければならない。恒温保持温度と保持時間を種々変えて検討した結果、473Kで28.8ksの恒温保持が適当であることが光顕観察により分かった。この熱処理試料の引っ張り破断した破面を高分解能SEM観察した結果、ベイナイト-母相界面で破断したと思われる部分が数ヶ所あった。破断した試料の一方はベイナイト、他方は母相であるが、それらをEDX分析した結果、組成は同じであった。すなわち、界面を通して原子拡散が無かったとの結果が得られ、核生成と成長の初期には原子変位型無拡散機構が関与したと考えられる。ただし、未確認の部分もあるので、今後もより詳細に検討する必要がある。
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