研究課題/領域番号 |
10650656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 広島国際学院大学 |
研究代表者 |
大園 洋仁 広島国際学院大学, 工学部, 教授 (90069203)
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研究分担者 |
橋本 英二 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教授 (50033907)
前田 裕司 広島国際学院大学, 工学部, 教授 (40309620)
松坂 菊生 広島国際学院大学, 工学部, 教授 (80299289)
紀 隆雄 広島大学, 放射光科学研究センター, 学長 (10033797)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 超高純度 / 高完全度結晶 / アルミニウム / 超高真空溶解 / 不純物の精製効果 / 分配係数 / 原子空孔の生成過程 / アルミニウムの耐食性 / 浮揚溶解 / 残留抵抗比 / 高完全度アルミニウム結晶 / 精製効果 / 超高真空溶解炉 / 抵抗比 / 単結晶 / 結晶粒 / 表面の清浄化 / 浮遊帯精製 / 赤外線加熱 / 塩酸腐食 / 腐食割合 |
研究概要 |
アルミニウムの超高純度化は、当初計画に基づき、垂直に置いた棒状試料を赤外線加熱で浮遊帯精製した。精製を定常的に12回繰り返し残留抵抗比26000の試料を得たが、この方法では処理できる試料のサイズが小さく、真空度も10^<-4>Pa程度であり、帯精製を繰り返すと試料表面が黒ずむ問題があった。次に、横型の冷却坩堝内のアルミニウムを高周波加熱による浮遊帯溶融法で精製した。帯溶融精製時の真空度は6×10^<-6>Paで、溶融部の幅30〜50mm、移動速度70mm/hで10回繰り返し、素材の残留抵抗比13000に対して35000のアルミニウムを得た。さらに、超高真空溶解炉を用い、直径60mm長さ100mmの素材を、2×10^<-7>Paの超高真空中で浮揚溶解した。その結果、残留抵抗比は素材の8000に対して約20000に向上した。そして、溶解後の試料内部には転位密度が10^7m^<-2>程度で、直径約60mm長さ約50mmの大きな単結晶が成長していた。これはいわゆる高完全度アルミニウム結晶であり、帯溶融することなしに、ただ一回の超高真空溶解で高完全度アルミニウム結晶を得ることに成功した。また、GDMS法による残留不純物の分析を行い、純度の向上を確認するとともに、超高真空溶解では分配係数が1より小さい元素の精製効果が顕著であることを見出した。 超高純度アルミニウムの性質では、アルミニウムの転位密度が10^7m^<-2>程度になると、300℃以上でも原子空孔が熱平衡濃度に到達するまでには数時間を要し、さらに残留抵抗比85000の場合は転位密度が1×10^5m^<-2>以下に減少し、360℃での熱平衡濃度に到達するまでには400時間程度を要することを見出した。また、濃塩酸によるアルミニウムの腐食挙動を99%〜99.9999%のアルミニウムに対して系統的に調べ、純度向上とともに濃塩酸に対する耐食性が向上すること、表面の酸化皮膜が消滅すると結晶粒内を含む全面腐食を呈すること等を明らかにした。
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