研究課題/領域番号 |
10650666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
大串 達夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (70126928)
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研究分担者 |
清水 博 サンコルツ加工技研株式会社, 所長
佐藤 裕久 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (10215832)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ゼオライト / マイクロ波 / 加熱機構 / 吸収効率 / 誘電率 / カチオンサイト / 吸着水 / 4員環 / A型ゼオライト / マイクロ波加熱 |
研究概要 |
本研究では、ゼオライトのマイクロ波加熱において、加熱にはどの様な要素が効いているのか、どの様な機構で加熱が進行するのかを調べた。 初めに吸着水の影響を調べた。3種類のゼオライト(3A、4A、5A)共、水和状態ではマイクロ波照射直後から温度が上がり始めたが、乾燥状態のものは加熱が起こらなかった。吸着水は400℃〜470℃でほぼ脱着してしまい、加熱されるタイプのゼオライトは800℃以上に容易に達するので、吸着水以外の吸収機構の存在が確実となった。3種のゼオライトの乾燥状態のものを、所定の温度まで前加熱してやると、3Aと4Aはマイクロ波照射で容易に高温に達した。5Aはその様な事は無かった。4Aと5Aについて誘電特性を用いてマイクロ波吸収効率を計算した。計算値を両者で比較すると、4Aが5Aより大きな値を示し、実測したマイクロ波による加熱の容易さと良く相関していた。4Aと5Aの誘電特性の違いはカチオン分布の違いに起因している。この事から、マイクロ波吸収にはゼオライト中のカチオン分布が強く影響しており、特に4員酸素環サイトにカチオンを持つものが高い吸収効率を持つ事が分かった。 以上の事から、加熱機構は次の様になっていると言える。照射初期には、吸着水がマイクロ波を効率よく吸収する。この結果ゼオライトの温度が上昇する。400℃〜470℃で吸着水は完全に脱着する。この温度以上になると次の吸収機構が働く、即ち、4員酸素環上のカチオンがマイクロ波を吸収し始める。ここにカチオンを持たない5Aは高温まで達しない。 次に、容易に加熱されるゼオライトを設計するために、4員酸素環サイトにどの種類のカチオンが存在すると有効なのかを調べた。これまで調べた3種のカチオンでは加熱の容易さはNa>Ag>Kの順となった。この事からイオン半径が小さいカチオンが有利である事が分かった。
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