研究課題/領域番号 |
10650682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 福島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐東 信司 福島工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (70090511)
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研究分担者 |
内田 修司 福島工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (80185024)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | SiC繊維 / SiC / SiC複合材料 / CVI / 炭素被覆 / 曲げ試験 / 強度特性 / 界面せん断すべり強度 / 微細組織 / 界面制御 / 複合材料開発 / CVI法 |
研究概要 |
SiC/SiC複合材料の強度特性を向上させる要因は、いかに繊維の強度を有効に発現させるかである。このため、繊維とマトリックスとの界面に第3層のCやBNなどを被覆し、界面の結合状態をコントロールする研究を進めてきた。 SiC繊維はハイニカロンを用い、主に平織り材を中心に材料開発を行った。材料の作製条件は気相反応浸透法(CVI法)を採用し、トリクロロエチレン(C_2H_5Cl_3Si)を原料ガスとしてSiC/SiC複合材料を作製した。初期には直径40mmで厚さ2mmの形状であったが、試験片採取量などを考慮し、より大きいサイズの材料が望まれ、直径120mmで厚さ2mmの大型材料を作製することが可能となった。 以下に本研究で得られた結果を列記する。 "(1)"繊維体積率35%、体積密度約2.4g/cm^3の良好なSiC/SiC複合材料を作製する事が可能となった。 "(2)"繊維表面に炭素被膜を希望の厚さ(数十から数千μm)に形成することが可能となった。 "(3)"高分解能電子顕微鏡観察およびEPMA分析から繊維と炭素被膜との界面でクラック進展することを解明することができた。 "(4)"曲げ強度は炭素被膜厚さが1.0μmの時に最大値を示し、628MPaを得た。これは、界面せん断すべり強度による繊維強度の有効活用と、マトリックスの強度との相乗効果で決定されることが分かった。"(5)"SiC/SiC複合材料の高強度化には炭素被膜の形成が有効で、且つ延性にも富むことが分かった。 本研究によって、SiC/SiC複合材料特有の脆性破壊を抑制することが、SiC繊維表面の炭素被膜効果によって可能となり、今後高温・高強度材料のさらなる発展性が望まれる。
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