研究概要 |
研究の成果は次の4つに大別される. 1.高機能真空圧延機の開発 真空圧延機を基本として前,後面に加熱・冷却装置を配し,切板による熱・温・冷間圧延を可能とした最高の温度1100℃,速度10mpm,真空度10^<-5>Torr,荷重390kNの各容量を有する試験ミルを開発した.特に中心部の圧延装置について真空度を維持するため独特な構造を創製して2件の特許(1999年4月,特許番号2909903,2920631号)を取得した. 2.圧延基本特性の解明 ミル剛性,圧下ヒステリシス,加熱・冷却特性,真空度到達・維持特性などの計測・解析を行い,装置全体の総合的な特性を明らかにした. さらに大圧下特性を付与するため,極小径(φ30mm)ロール組付装置を発案し,特許出願中(1999年7月,特許願241072号)である. 3.TiAl系金属間化合物の熱延特性研究 50at%Ti-47at%Al-3at%Cr系の試験材を製作して機械的性質や金属組織を調査し高温領域での圧延特性を研究し,簡易重ね合わせ方式の圧延が有効であることを確かめた. 4.鉄基複合材料の研究 真空雰囲気を利用してTiクラッド鋼,Cu・ステンレスクラッド鋼の試作を行い,特に前者では950,1000℃,圧下率10%以上で250〜270MPaの高い界面せん断強度が得られた. なお難加工材料の最適な圧延法を十分確立したとは言えず継続した設備・技術の開発や高温トライボロジー面での研究充実が重要である.
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