研究概要 |
セラミックスと金属の接合では,継手部に大きな残留応力が発生すると,割れが発生したり継手強度が低下する。本研究では,この残留応力の発生を緩和してこれらの弊害を除去するため,熱負荷の低減に着目し,新熱源である「放電プラズマ」を適用した「低温接合法」の開発を行なった。 平成10年度にセラミックスにAl_2O_3,金属にSUS304を取り上げ,両者間に塑性変形能に優れるAgやCuの薄膜を活性金属ろうでろう付したあと,薄膜を対向させて,放電プラズマ加熱で拡散接合または粉末挿入焼結接合で低温接合する方法の試験を実施した。平成11年度は,セラミックスをSi_3N_4に変えて試験を実施した。結果を要約すると,以下の通りである。 (1)従来接合法(Ag-Cu-Tiろう付法で直接接合)では,セラミックス中に割れが発生するが,上記提案接合法を採用すると,この割れを完全に防止できることが確認された。 (2)この理由をFEM熱弾塑性解析し,(1)従来接合法における割れ発生原因は,接合界面近傍のセラミックス表面にセラミックス母材強度に達する残留応用(引張)が発生するためであること,(2)上記提案接合法でセラミックス中の割れ発生を防止出来るのは,セラミックス中の発生残留応力(引張)が従来接合法の約23〜50%に低減できるためであることを確認した。 (3)上記提案接合法で得られる継手強度(JIS R 1601 4点曲げ強度)を把握した。 (これらは,平成10,11年度溶接学会秋季大会,平成11年度機械学会M£P等で発表)
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