| 研究概要 |
本研究は、熱および物質移動を考慮した気液液系蒸留塔のダイナミックシミュレータの開発を最終目的とするものである。初めに、規則充てん物を用いた気液液系すなわち不均一系蒸留実験を行い,熱および物質移動速度の測定を行った。この結果をもとに全還流蒸留に対する液側抵抗を考慮したシミュレータの開発を行い,計算値が実測値と良好に一致することを明らかにした。この結果については、学会誌に印刷済みである。さらに、1原料供給、塔頂と塔底からの製品抜き出し、油相のみの還流を操作仕様とした充填蒸留塔に対する定常状態シミュレーション法を開発し、分離性能に及ぼす操作因子の影響を検討した。この結果については、投稿準備中である。
一方、非定常シミュレーション法を開発する前段階として、塔頂に貯留タンクを有する回分式充てん塔による回分蒸留実験を行い,液組成の動的挙動に及ぼす操作条件の影響を検討した。さらに,段塔に対する回分蒸留シミュレーション法による計算値と実測値を比較した。
現在、熱および物質移動を考慮した回分蒸留シミュレーションの開発に取り組んでおり、これについては、今後も引き続き行う予定である。さらに、連続式気液液系充填蒸留塔のダイナミックシミュレーションの開発に取り組む予定である。
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