研究課題/領域番号 |
10650764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
平田 彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063610)
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研究分担者 |
村上 義彦 日本学術振興会, 特別研究員(PD) (00339748)
常田 聡 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (30281645)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 抽出反応 / 蛋白質加水分解 / 天然蛋白質 / 生理活性ペプチド / ポリマー・酵素複合体 / 非水系酵素反応 / プロテアーゼ / 改変酵素 / ACE阻害ペプチド / 水性二相分配系 / トウモロコシ蛋白質 |
研究概要 |
本研究では、(1)原料蛋白質としてトウモロコシ蛋白質(zein)を取り扱い、蛋白質加水分解酵素を用いた加水分解反応によって、所望のペプチド(例えばアンジオテンシン変換酵素(ACE)の阻害ペプチド)の選択的生成を制御する事、及び(2)有機溶媒中において高い機能を発現する酵素材料を開発する事、を目的に研究を行い、以下の成果を得た。 1.蛋白質加水分解反応の制御手法の開発 ポリマーが形成する有機溶媒二相系において、thermolysinを用いてトウモロコシ蛋白質α-zeinの加水分解反応を行う事によって、zeinが選択的に上相へ、限定加水分解物が両相へ、低分子量ペプチドが下相へ選択的に分配するプロセスを実現し得る事が判った。本研究によって提案した手法は、従来の均一系反応媒体中における蛋白質加水分解反応の問題点(生成物の選択的合成や、酵素と生成物の分離が困難)を解決し得る技術である。 2.有機溶媒中で機能する新しい酵素材料の開発 有機溶媒中で機能する新しい酵素の使用形態として、酵素とポリマーの物理的な吸着によって形成したハイブリッド型酵素材料「ポリマー・酵素複合体」を提案した。-分子のα-chymotrypsinに-分子のPEGが吸着した酵素-ポリマー複合体を調製したところ、著しく活性が向上する事が明らかになった。疎水性の強い緩衝剤、及び両親媒性ポリマーを用いた際に、活性が高い複合体が得られた。ホウ酸-コハク酸系緩衝液を用いて調製したPEG4000-α-chymotrypsin複合体(モル比8:1)はイソオクタン中においてnative α-chymotrypsinの約8000倍の活性を発現した。本手法は、水溶性の生体触媒を有機溶媒中で機能させる新しい手法であり、その新規性・波及効果は極めて高いと考えられる。本新規酵素は有機溶媒二相系においても高い活性を発現し、蛋白質加水分解反応等に応用可能である事が示された。
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