研究課題/領域番号 |
10650771
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
林 弘 徳島大学, 工学部, 教授 (00035627)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 炭酸ジメチル / 炭酸エチレン / メタノール / トランス・エステル化 / エチレングリコール / 酸化的カルボニル化 / 塩化銅(I) / レドックス触媒系 / レドックス触媒体 / 炭酸エレチン / トランス・エチエル化 / 炭酸カリ / リン酸カリ / イオン交換樹脂 |
研究概要 |
炭酸ジメチル(DMC)合成の製造プロセスの開発に関して、本研究では、初年度に、まず塩基触媒による炭酸エチレン-メタノール系のトランス・エステル化実験研究を行なった。この反応は、炭酸エチレンが酸化エチレンとCO_2から安価に得られる点で注目され、マグネシアやハイドロタルサイトのような固体塩基が有効であるが、微量の水分で基質が分解し、発生CO_2によって触媒が失活する。そのため、本研究では、炭酸またはこれより僅かに強い酸のカリウム塩、すなわち、炭酸カリ、リン酸二水素カリ、酢酸カリおよび関連触媒について比較試験を行ない、所期の成果を挙げた。 この経路では、トランス・エステル化で副生するエチレングリコールが蓄積するので、第2年度(平成11年度)は、エチレングリコールの酸化的カルボニル化による炭酸エチレン再生の研究を行なった。エチレングリコールに塩化銅(I)を懸濁、攪拌すると分子状酸素を吸収して銅(II)グリコキシド錯体を形成し、この銅(II)錯体は10atm程度の加圧COで還元されて炭酸エチレンを生成する。そこで、反応圧を15kg/cm^2に維持しながらO_2/CO=1/2の混合ガスを補給して連続試験を試みたところ、銅(II)が繰返し銅(I)に還元再生され、レドックス系を形成して触媒機能を発揮していることがわかった。 以上の研究成果をもとに、エチレングリコールの酸化的カルボニル化による炭酸エチレンの生成と各種のアルコールとのトランスエステル化を組合わせると、エチレングリコールを循環体として任意の炭酸エステル合成プロセスへの応用展開が期待され、炭酸ジメチルに限定することなく、含酸素系の燃焼助剤として適切な引火点とすぐれたアンチノック性を具えた混合エステルの製造プロセスが考えられる。
|