研究課題/領域番号 |
10650807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
今西 誠之 三重大学, 機器分析センター, 助教授 (20223331)
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研究分担者 |
山本 治 三重大学, 工学部, 教授 (70023116)
武田 保雄 三重大学, 工学部, 教授 (60093051)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | インターカレーション / リチウムイオン電池 / 電解質 / 導電率 / 複合体 / 粘土層間化合物 / 固体高分子燃料電池 / プロトン導電体 / 固体電解質 / スメクタイト |
研究概要 |
本研究では無機イオン導電体を液体中に分散させた複合体を合成し、その電解質としての機能を調査したものである。電解質はリチウムイオン電池への応用を目標とした。無機リチウムイオン導電体は数多いが、ここでは粘土層間化合物を適用した。これは粘土層間化合物の特徴として溶媒中に分散した際に粘性の高い複合体が形成されるためである。このような半固体の状態は安全性の高い電解質となり得る。溶媒としてプロピレンカーボネートを適用した。 合成は粘土層間化合物(スメクタイト)のイオン交換から行った。市販の粘土はナトリウムイオンを層間に有しているため、塩化リチウムの水溶液中で懸濁・攪拌を行うことでリチウムイオンとイオン交換を行った。交換後の試料の元素分析からほぼ全てのナトリウムがリチウムによって置換された試料の合成が可能であった。 イオン交換後の粘土をプロピレンカーボネート中に分散させたところ、粘度の高い懸濁状態が得られたが水中に懸濁させたときほどの均一性は得られなかった。この材料について導電率測定を行ったところ、室温で10^<-3>Scm^<-1>前後の高い導電率が発現することが分かった。当初プロピレンカーボネートにはリチウムイオンが含まれていないので、導電は粘土層間中のリチウムが一旦層間から出て、プロピレンカーボネート中に溶解し伝導するという形式であることが分かった。過塩素酸リチウムをプロピレンカーボネートに溶解させた純粋な電解液の場合、導電率は10^<-3>Scm^<-1>オーダーであることから、粘土粒子の存在がリチウムイオンの伝導を妨害していないことが分かる。この系は完全なシングルイオン導電体であり、高導電率であることから実用電解質としての可能性が高い。しかし実際に電極と組み合わせてセルを形成したところ、充放電は可能だが良好なサイクル特性が得られなかった。これは界面に起因する問題と推察され今後の課題として指摘される。
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