研究課題/領域番号 |
10650826
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中島 剛 京都大学, 工学研究所, 助教授 (50026233)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 表面フッ素化 / インターカレーション / リチウムイオン電池 / 炭素負極 / フッ素化反応 |
研究概要 |
平均粒径7、25、40μmの黒鉛粉末をフッ素圧0.2〜0.3気圧、80〜520℃で2〜10分間フッ素化し、その表面組成、構造変化とリチウムイオンの電気化学的挿入・脱離反応を1mol d m^<-3> LiCLO_4-エチレンカーボネイト/ジエチルカーボネイト(1:1)溶液中で調べた。元素分析によるフッ素含有量は約2at%以下、表面フッ素は6〜15at%で、炭素-フッ素結合はイオン結合と共有結合の中間的性質を示し、フッ素化温度が高くなるにつれて共有結合に近くなった。またラマン分光法より表面フッ素化によって黒鉛表面の構造の乱れが大きくなることも明らかとなった。平均粒径7、25、40μmの黒鉛粉末の可逆容量は60mAg^<-1>で、それぞれ360、350、330mAg^<-1>で、粒径の大きな黒鉛は表面積が小さく、黒鉛粒子の利用率が小さい。これに対し、フッ素ガスで表面フッ素化を行った黒鉛は粒径の大小にかかわらず、理論容量の372mAg^<-1>より大きい380〜400mAg^<-1>を示し、反応速度の増加と過剰のリチウムが蓄積されることがわかった。ラマンスペクトルより、表面フッ素化によって、表面構造の乱れが生じることが示され、表面積の増加と表面細孔の生成が可逆容量の増加をもたらしたと考えられる。 また炭素-フッ素結合の性質を^<19>F-NMRスペクトルより調べたところ、C_xF(x>8)の領域では炭素-フッ素結合はイオン結合性で、xが8より小さくなるにつれて、半イオン結合性が増加することがわかった。更に有機電解質溶液へフッ素エステル、エーテルを少量添加すると黒鉛粉末上の被膜生成に大きな影響を与え、可逆容量が増加することが明らかとなった。
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