研究課題/領域番号 |
10650847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
川井 正雄 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60161270)
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研究分担者 |
荒木 修喜 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30115670)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1999年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1998年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | グラミシジンS / メチレン鎖架橋 / 環状ペプチド二量体 / 抗菌活性 / 亜鉛二核錯体 / リン酸エステル結合開裂 / ヒドロキシプロリン類縁体 / X線結晶構造解析 / 溶血活性 / β-シート型会合配座 / モノ修飾グラミシジンS / ピコリノイル誘導体 / 銅イオン錯体 / β-シート型分子間会合 / 分子内架橋誘導体 / 分子間架橋二量体 |
研究概要 |
本研究は、環状デカペプチド分子グラミシジンS(=GS)を用いて、β-構造を基盤とする高次構造を有する機能性分子の構築を目的する。なお母体分子自体が抗生物質であり、合成した各種の類縁体分子の生物活性についての検討も行って活性発現機構についての知見を得ることも試みる。 2個の塩基牲側鎖間を種々の鎖長のメチレン鎖で架橋した新規GS類縁体の合成を行った。さらに、種々の鎖長を有する架橋型二量体の合成を行った。対称型の分子であるGSの2個の塩基性アミノ酸を側鎖長が異なるアミノ酸で置換した種々の類縁体を調製し、これらを用いて二量体の合成を行い、その立体構造および生物活性についての検討を行った。感受性菌の細胞膜表面でのGS分子の膜中への「反転もぐりこみ」の容易さが分子の対称性に依存することが示唆された。 ピコリノイル基等の2価の金属イオンを結合する性質を有するビピリジン誘導体を導入したGS誘導体を合成してその金属イオン結合挙動を検討した。銅(II)イオンを介したβ-シートどうしの会合が観察された。さらに架橋されたβ-シート構造分子への機能性の官能基の導入およびその構造制御を目的として、2価の金属イオンを結合する性質を有するビピリジン誘導体を架橋鎖に用いた二量体の合成を行った。 GSのテトラピコリル誘導体は亜鉛(II)イオンと安定な二核錯体を形成し、この錯体がRNAモデル基質の加水分解反応を有効に促進することを確認した。この系への基質認識部位の導入を可能とするためヒドロキシプロリン含有GS類縁体の合成を行った。 側鎖保護GSのN-メチル化体の単結晶X線構造解析に成功した。GSの精密な結晶解祈の初めての例であり、機能性分子構築のための有用な基礎データを与えるものである。
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