研究課題/領域番号 |
10650848
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山子 茂 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30222368)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | キャビティー分子 / 有機テルル化合物 / ラジカル反応 / デンドリマー / 不斉触媒 / ドーマント種 / キャビティー型分子 / カチオン反応 |
研究概要 |
本研究では、酵素反応における高い反応性と選択性の発現する原理を指標とし、その機能の中心を担っている反応場を人工的に創製することを目的として検討を行った。すなわち、グリコシダーゼやスクアレン閉環酵素に代表されるカチオン的な中間体を経る反応に着目しており、そのような有機反応に適したキャビティーを持つ金属分子の設計を行うとともに、触媒化に適した探索を行った。また、ラジカル反応を用いたキャビティー分子の効率的な合成法についても検討を行った。主な結果を以下に示す。 1.Induced fit型の分子触媒を指針とし、光学活性ビナフトールと枝状構造を持つ高分子のハイブリッド構造を持つ金属配位子を合成した。さらに、その配位子とルイス酸性金属との錯体化、およびその金属錯体の触媒活性についても併せて検討を行い、良好な結果を得た。 2.カチオン中間体を経る反応の精密化をめざし、新しいグリコシル化反応の開発に取り組んだ。その結果、有機テルル置換基を持つ糖誘導体が穏和な条件下で活性化され、カチオン中間体を生成することを明らかにすると共に、反応条件により、α体およびβ体の0-グリコシドが選択的に得られる事を明らかにした。 3.ラジカル反応を用いたキャビティー分子の合成に向けて検討を行い、新しいラジカル反応系を見いだした。すなわち、糖骨格を持つ有機テルル化合物が加熱条件、あるいは光照射条件下において異性化することを見いだした。さらにその機構の解明を行い、反応系中において可逆的に炭素ラジカルが生成していることを明らかにした。 4.上記の反応系において、炭素ラジカル補足剤としてアルキンやイソシアニドを用いることにより、グループ移動型反応による反応が起こることを明らかにした。さらに、生成物の炭素-テルル結合においても、炭素-テルル結合のホモ解裂・再結合が可逆的に起こっていることを明らかにした。
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