研究概要 |
Furo[2.3-b]furan構造を持つ9員環ラクトンの合成:市販の1,2:5,6-ジ-O-イソプロピリデン-D-マンニトール(1)を出発原料とし、過ヨウ素酸ナトリウムで酸化的に切断し,後処理することなく炭酸カリウム,Triethyl phosphonoacetateを加えることにより,E体のα,β-不飽和エステル(3)が好収率で得られた.(3)のエステル基をDiisobutyl aluminum hydlideで還元してアルコール(4)に導き,続いてTriethylorthoacetate中Hydroquinone存在下に加熱還流すると容易にClaisen転位が起き,β-位にビニル基のあるエステル(4)が好収率で得られた.4を80%メタノール中塩酸を加えアセトニドの加水分解と同時にラクトン化を行うとβ-ビニル-γ-ヒドロキシメチル-γ-ブチロラクトンが得られた.ビニル基をアルデヒド基に変換後酸処理をすれば,環の巻換えが起きFuro[2,3-b]furan骨格の形成が期待できる.しかしながら、ラクトン環形成反応における収率の向上を種々検討したがしたが思わしい結果が得られなかった。 ジエン部分の合成:市販のHagemannエステルを出発原料とし、ベンゼン中、p-TsOH存在下にエチレングリコールと加熱還流すると、二重結合が3,4位に異性化したケタールエステルが高収率で得られた。このエステルを還元してアルコールとし、続いて活性MnO_2で酸化してアルデヒドへ導いた。得られたアルデヒドにPh_3P=CH_2によるWittig反応でビニル基に変換し、2,3のジエノフィルを用いて、Diels-Alder反応を検討してた。
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