研究課題/領域番号 |
10650865
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
結城 康夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20024292)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 有機セレン化合物 / リビングラジカル重合 / ブロック共重合体 / 末端官能性高分子 / マクロモノマー / グラフト共重合体 / 多分岐高分子 / イニファタ / トリブロック共重合体 / p-(フェニルセレノメチル)スチレン / ジフェニルジセレニド / ベンジルフェニルセレニド / 片末端官能性高分子 / クラフト共重合体 / ジフェニルジテルリド / 二官能性イニファタ / 高分子光イニファタ / 両末端フェニルセレノ基 / テレケリック高分子 / ジおよびトリブロック共重合体 |
研究概要 |
研究代表者らは光照射により有機セレン化合物(ジフェニルジセレニド、ベンジルフェニルセレニド)がスチレンやメタクリル酸メチルの光イニファタとして働き、リビングラジカル重合を進行させることを見いだした。このように連鎖移動剤、開始剤、停止剤の働きをする化合物は大津らによりイニファタと名付けられている。リビングラジカル重合のドーマント種を与える保護基としてフェニルセレノ基を選択したのは著者らが初めてである。ジフェニルジセレニドでは高分子の両末端にフェネチル型とベンジル型のフェニルセレノ基が導入される。ベンジルフェニルセレニドから得たポリスチレンは開始末端はベンジル基であり、生長末端にフェニルセレノ基をもつ。1、4-ビス(フェニルセレノメチル)ベンゼンからは両末端が同じ構造のテレケリックポリスチレンを合成した。これらのポリスチレンを高分子イニファタとして用いメタクリル酸メチルを重合させブロック共重合体を得た。また、末端のフェニルセレノ基は還元により水素原子に置換でき、酸化によりビニル基に変換しテレケリック高分子を合成した。本重合法の最大の特徴は、分子量分布は広いが、末端官能性高分子の合成ができることにある。また、p-(フェニルセレノメチル)スチレンを合成し、スチレンとの共重合体を高分子光開始剤として用い、メタクリル酸メチルを枝とするグラフト共重合体を得た。このモノマーの光重合により多分岐高分子も合成することができた。すなわち本研究は有機セレン化合物を光イニファタとして用い、ブロック共重合体、末端官能性高分子、マクロモノマー、グラフト共重合体、多分岐高分子の合成に展開させたものである。
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