研究課題/領域番号 |
10650893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 山口東京理科大学 |
研究代表者 |
大野 尚典 山口東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (10194250)
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研究分担者 |
戸嶋 直樹 山口東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50011010)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 導電性ポリアニリン / スルホン化ポリアニリン / 3-ブトキシカルポニル-4-メチルピロール / p-アミノジフェニルアミン / 熱電特性 / 熱伝導率 / ゼーベック係数 / 無次元性能指数 / 水溶性ポリアニリン / o-アミノベンゼンスルホン酸 / 交互共重合ポリマー / ドーピング / 導電率の温度変化 / 熱伝導度 / カンファースルホン酸 / 触媒化学重合法 / ボロントリフルオライド / 3-ブトキシカルボニル-4-メチルピロール / 化学重合法 / 熱重量変化 / エイジング効果 |
研究概要 |
本研究の要点は、第一に、ポリアニリンおよびポリピロールについて、従来とは違う新しい方法で可溶性のポリマーを合成し、加工性の向上をはかったこと、第二に、導電性高分子が発見されて以来、もっぱら電気を通すという性質のみが注目されてきたが、これを新しい視点から、すなわち熱を電気に変換する物質として評価したことにある。以下にこれらの点について、研究の概要を述べる。 1.可溶性芳香族導電性高分子の合成 可溶性ポリアニリンは、従来のポリアニリンに発煙硫酸を作用させてスルホン化するという方法と異なり、アニリン二量体(p-アミノジフェニルアミン)とo-アミノベンゼンスルホン酸を共重合させる新しい方法によって合成した。またこの重合は、初めにこの二つの成分が1:1の電荷移動錯体を形成して進行することを明らかにした。一方、可溶性ポリピロールの方は、3-ブトキシカルボニル-4-メチルピロールを触媒化学重合法により合成することによって得た。この合成中に第三の成分としてBF_3・Et_2Oを添加すると収率が著しく向上することを見いだした。 2.ポリアニリンの熱と電気に関する物性の評価 室温から200℃近辺までの温度範囲で、導電性ポリアニリンの導電率の温度変化、ゼーベック係数の温度変化および熱伝導度の温度変化を測定し、熱電変換材料としての可能性を検討した。熱電変換効率を表す無次元性能指数(ZT)の値は、5.0×10^<-5>〜3.2×10^<-4>であった。この値は、このままでは実用に供するには低いが、導電性高分子の室温より高い温度領域での熱電特性を初めて明らかにした意義は大きいと考えている。
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