研究課題/領域番号 |
10650894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
鈴木 健訓 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 教授 (40162961)
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研究分担者 |
沖 雄一 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (40204094)
三浦 太一 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (80209717)
近藤 健次郎 高エネルギー加速器研究機構, 共通研究施設, 教授 (20004434)
沼尻 正晴 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (20189385)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 陽電子消滅 / ポジトロニウム / 高分子材料 / 高分子緩和 / 放射線損傷 / 捕捉電子 / 自由体積 / 回転運動 / 緩和現象 / 極低温 / 高分子構造の凍結 / ポテンシャル / ガンマ転移 / ベータ転移 / 高分子 / 陽電子寿翁 / 電子の浅いトラップ / イオン化 |
研究概要 |
高分子材料の緩和現象は、これまでの電気的方法やNMRによる信号などを利用して1960年代から研究が行われており、かなりよく分かった事象ととらえている。1980年代から、陽電子消滅法が高分子の動きを解析できることではないかという研究が行われてきており、緩和現象を議論している報告が数多くみられる。陽電子消滅で高分子材料を測定している際に、極低温で長寿命成分が増加することは、高分子の緩和現象と関係しているのではないかとの説明がなされてきたが、この増加現象は、この2年間の研究を通して、かなり理解できるようになった。陽電子という放射線が材料に放射線の影響を与え、この影響が極低温では、室温と異なった現象として観測される。極低温では高分子構造が凍結し、これに伴い、高分子間には電子・陽電子を捕足するポテンシャルが形成される。入射したプローブとしての陽電子が高分子材料中で原子分子と相互作用しながら、イオン化や電離電子を作り、電子は低温で形成された浅いポテンシャルに捕足される。陽電子は、これら浅く捕捉された電子と結合することができ、これらの電子の増加と共にポジトロニウム(Ps)形成も増加する。捕捉電子は、極低温で形成されたポテンシャルの喪失と共に消滅するため、温度上昇と共に高分子が運動を開始することによってポテンシャルに影響を与える。すなわちPs形成が減少する。これを利用することにより、高分子の立体構造、化学構造、構造の動きなどを知ることができる。2次的な効果でありながら高分子緩和現象の研究にも応用できることが分かった。
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