研究課題/領域番号 |
10650901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
船舶工学
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研究機関 | 東京商船大学 |
研究代表者 |
萩原 秀樹 東京商船大学, 商船学部・情報システム設計工学講座, 教授 (30126338)
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研究分担者 |
庄司 るり 東京商船大学, 商船学部・情報システム設計工学講座, 講師 (50272729)
桑島 進 東京商船大学, 商船学部・情報システム設計工学講座, 教授 (30016943)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 数値波浪予測 / 航路選定 / 確率的シミュレーション / 航海時間の誤差推定 / 航路確定 / 確立的シミュレーション |
研究概要 |
船舶の安全かつ迅速な航行に不可欠なウェザールーティングを有効に行うには、航海の全期間をカバーする精度の良い波浪予測データを得ることが必要である。本研究では、北太平洋の予測格子点における10日先までの数値波浪予測の予測精度を評価した。また、10日先までの数値波浪予測を用いた最適航路選定シミュレーションにより,航海時間および燃料消費量の誤差範囲、すなわち標準偏差を推定し、その結果について検討を行った。 先ず10日先までの予測の精度を調査するために、風速・風向・有義波高・卓越波向・卓越波周期について、実況値(解析値)を真値とみなして各予測値の予測誤差の平均値(予測バイアス)を求めた。次に、予測値に予測誤差の平均値を加え予測バイアスを除去した値を使用して、風と波の共分散行列を求めた。太平洋を28のサブエリアに分け、海域による予測精度の違いを調べた。風速と波高の平均誤差は、ほとんどの場合正の値となっている。すなわち、実際より風速は弱く、波高は低く予測されていた。標準偏差については、風、波とも予測時間が長くなるほど大きくなっていた。波高については、北太平洋の東側より西側の海域において標準偏差が大きく、予測精度が悪いことがわかった。また、風速、波高について、北太平洋の北側より南側の海域ほど標準偏差が小さく、予測精度が高いことがわかった。 風と波の予測誤差の相関係数は、航行中の船舶の船位・予測時間・予測時間間隔Δt及びΔt間の航行距離と針路の関数である。Δt=0とΔt=12について、各格子点と0゜,90゜,180゜,270゜の4方向に4つ先までの格子点における相関係数を求め、前述のサブエリアについて相関係数の海域による違いを調査した。風、波の相関係数は針路が90゜の時に最大になり、波高の相関係数は他のものより大きくなった。また、同じ予測時間における予測誤差間の相関係数は、同じ格子点において1.0であり、格子点間隔が増えるにつれ指数関数的に減少する。 10日先までの数値波浪予測を用いて、確率的なウェザールーティングシミュレーションを行ない、航海時間や燃料消費量の標準偏差の推定を検証した。その結果、推定した航海時間および燃料消費量の標準偏差と予測航海時間および予測燃料消費量の誤差の標準偏差は近い値となり、標準偏差の推定が正しく行われたことが明らかとなった。
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