研究課題/領域番号 |
10650914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
資源開発工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増田 昌敬 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50190369)
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研究分担者 |
長縄 成実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10237539)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 石油工学 / 高分子 / ゲル / レオロジー / 多孔質媒体 |
研究概要 |
ゲル生成剤(ポリアクリルアミド、アルミン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムの混合水溶液)とCO_2飽和水を多孔質媒体内に交互圧入することによりポリマーを原位置で架橋処理する新手法を提唱して、この手法を不均質な油層からの油採収に適用する場合の交互圧入手順を設計した。 ビーカー内に仕込んだゲル生成剤にCO_2ガスを吹き込む実験を行い、ゲル生成剤のpH低下に伴うゲル生成特性を把握し、交互圧入で用いるゲル生成剤の適切な濃度を選択した。1次元の多孔質媒体コアを用いた実験を行い、提唱した手法によりコア内にゲルが生成することを確かめた。1次元コアおよび浸透率の異なる1次元コアを並列に設置したモデルを用いた油回収実験では、油回収に対して本手法が有効であることを確かめた。しかし、2次元の多孔質媒体実験モデルを製作してゲル生成剤とCO_2飽和水の交互圧入時のゲル生成挙動を調べた結果では、圧入初期の混合により多孔質媒体内にゲルが生成してもその後の粘性クロスフローの影響が強い場合には、目的とする層のみをゲルにより閉塞することは難しいことがわかった。異なる浸透率の層からなる油層にポリマー架橋処理法を適用する場合には、浸透率比を考慮した圧入方法を選定する必要がある。 計算的研究では、ゲル生成剤とCO_2飽和水の交互圧入によるゲルの生成を伴う多孔質媒体内流動を記述する数値モデルを構築した。数値モデルによる計算結果を実験結果と比較検討した結果、数値モデルがゲルの反応速度定数をマッチングパラメータとして実験を再現することを確認した。 本研究で開発したポリマー架橋処理法は、坑井から圧入するゲル生成剤とCO_2飽和水の混合による中和反応を利用してゲルを生成させるという簡単な原理に基づくため、ゲル生成に及ぼす層間クロスフローの影響に関する応用研究を継続して行うことにより、実油田への適用が可能である。
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