研究課題/領域番号 |
10660012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
作物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山岸 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50143409)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | イネ / 穎果 / 成長 / 炭水化物代謝 / 収量 |
研究概要 |
イネの登熟過程において、弱勢穎果と強勢穎果の成長速度の差について、その生理学的要因を明らかにするために、炭水化物代謝に関わる酵素等の遺伝子発現パターンを解析した。また、品種間での穎果の成長パターンの違いについても調査を行った。 強勢穎果と弱勢穎果の成長を比較すると、弱勢穎果では開花後数日にわたって、成長速度の極めて緩慢ないわゆるラグフェイスが認められた。その後のデンプン蓄積速度には両穎果で差が認められなかったが、最終的なデンプン含量は弱勢穎果のほうが少なかった。 遺伝子等の発現は、はじめ、OsCIN1の発現が、ついでヘキソース/スクロース比の増加、OsSUT1,RSu3の増加とヘキソース/スクロース比の低下とデンプンの蓄積開始、最後にOsGPT1とAGPPの発現とデンプンの蓄積の順であった。 強勢穎果、弱勢穎果ともに以上の順番に差は無かったが、それぞれの発現の開始時、発現量には大きな差た。一般に、強勢穎果に較べ弱勢穎果では発現開始が遅くまた、発現量も少なかった。 両穎果の成長速度に関し、品種間で比較を行ったところ、強勢穎果の成長速度には、イネのサブタイプ間で差が見られ、インディカ品種で速く、ついで熱帯ジャポニカで、温帯ジャポニカの成長速度は最も遅かった。特に、インディカ品種に分類される、日印交雑品種の穎果成長速度は極めて速かった。 強勢穎果の成長速度は弱勢穎果の成長に影響を及ぼしており、強勢穎果の成長速度の速い品種では、弱勢穎果の成長の開始が遅く、炭水化物の競合が原因であると考えられた。
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