研究概要 |
ウニコナゾール処理によるデンドロビウムの草姿改善とバルブの熟期調整を目的として一連の実験を行った。材料にはノビル系デンドロビウム・ピンクドールエレガンス'と'ユキダルマキング'を用いた。 早期加温によるバルブの発育促進と矮化剤処理による草姿改善を目的とし、ピンクドールを用い、2/10と3/17にウニコナゾール12.5ppm処理をすると共に2月から7月までの間の25℃加温開始終了時期を検討した。続いて7/1から11/20下旬まで戸外で栽培し、その後再び加温した。その結果25℃加温開始2月区で止め葉の発生、開花が最も早くなったが、矮化剤の効果が個体によりばらつき開花が遅れる個体も見られ、全体として温度処理効果がはっきりと現れなかった。 促成栽培における矮化剤処理の適応性を確認するため、ピンクドールを用い、ウニコナゾール12.5ppm,2回処理をして25℃加温開始日を2/10または3/17とし、9/20から10/24まで山上げし、再び18℃加温開始開始を10/25または11/4とした。その結果、加温開始からの到花日数は10月区で51日、11月区で45日であった。また2月加温区で開花が早まる傾向にあった。一方矮化剤処理により、バルブは著しく矮化しかつ肥大した。過剰な肥大のため葉が節より離脱するものが多数見られた。矮化剤処理区の開花は無処理と同様の傾向が見られたが開花節率は、23-49%と低くかつばらついた。 ウニコナゾールの残効性を確かめるため、前年の2,4,5,7月にリードに12.5ppm,2回処理または25ppm,1回処理した植物の次世代バルブの生育と開花を調査した。前年の早い時期にウニコナゾール処理した区ほど草丈の伸長が抑制された。止め葉の発生、開花ともにウニコナゾール処理が早い区ほど早くなった。開花節率は差が見られなかった。 夏期の強遮光と矮化剤処理の組み合わせによる開花促進を検討するため、ユキダルマキングを用い、2月と4月に12.5ppm,2回処理を行い7/9より40%または70%遮光下の戸外で11/26まで栽培、その後18℃に加温した。ウニコナゾール処理によりバルブの伸長は90%に抑制された。開花は70%遮光、ウニコナゾール処理区でやや早まったが、開花節率はやや低下した。
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