研究課題/領域番号 |
10660048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三瀬 和之 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90209776)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ブロモウイルス / 細胞間移行 / 外被タンパク質 / 移行タンパク質 / キメラウイルス / GFP遺伝子 / 管状構造 / GST遺伝子 / プロモウイルス |
研究概要 |
植物RNAウイルスであるブロムモザイクウイルス(BMV)とササゲクロロティックモトルウイルス(CCMV)は、同じブロモウイルス属に分類される極めて近縁なウイルスであるにもかかわらず細胞間移行における外被タンパク質(CP)要求性という点で、細胞間移行機構が大きく異なることが示唆されてきた。まず、BMVとCCMVにコードされたどの遺伝子が細胞間移行において、CP要求性と非要求性を生じさせるのかを調べた。RNA3にコードされた3a移行タンパク質(MP)遺伝子を両ウイルス間で相互に置換したキメラウイスルBMV(C3a)とCCMV(B3a)は接種植物に病斑を形成した。CP遺伝子を欠損させたBMV(C3a,△cp)は病斑を形成し、CCMV(B3a,△cp)は形成しなかった。CP遺伝子をマーカー遺伝子であるGFP遺伝子で置換したウイルスを作製し、接種葉におけるウイルスの拡がりを蛍光顕微鏡観察した結果、病斑形成とGFPの蛍光の拡がり(ウイルスの細胞間移行)との間には正の相関があった。以上の結果、CP要求性に関与するウイルス遺伝子は、3a-MP遺伝子であることが明らかになった。つぎに、各ウイルスMPの機能解析を行った。これまで、BMVのMPには拡酸結合活性があることが示されていたが、さらにCCMVのMPにも同様に一本鎖の核酸に対して配列非特異的な結合活性があることを明らかにした。一方、BMVとCCMVのMP遺伝子の3'末端にGFP遺伝子を融合させ、プロトプラストに導入し発現させた結果、プロトプラスト表面に管状構造が観察された。以上の結果、BMVとCCMVはそれぞれ細胞間移行におけるCPの要求性は異なるものの、いずれもRNA-MP複合体で原形質連絡中をまたは粒子で管状構造を移行する2つの可能性が示唆された。一方、GST pull-downアッセイによりBMVのMPとCPはin vitroで結合することが示された。今後、CCMVのMPについても同様の実験を行い、各ウイルスのMPのCP要求性と、両タンパク質間の結合活性の有無の相関関係を研究する。
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