研究課題/領域番号 |
10660065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
久島 一剛 (久馬 一剛) 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (80027581)
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研究分担者 |
岩間 憲治 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (60269727)
高原 光 京都府立大学, 農学部, 助教授 (30216775)
北川 靖夫 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (90254242)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 琵琶湖 / 内湖 / 底質コア / 化学性 / 粘土鉱物 / 花粉分析 / 人間活動 / イネ栽培 / 重金属 / 二次林化 / 元素組成 / 粒度組成 / 鉱物組成 / 植物ケイ酸体 / 花粉組成 / 炭素年代 |
研究概要 |
湖底堆積物中に記録されている人間活動を読み出すことを目的に、人間活動の影響を強く受けていると考えられる琵琶湖東岸の3つの内湖、西の湖、旧小中の湖、曽根沼の底質についてコアサンプルをとり、各種の分析に供した。主要な結果は次のとおりである。 炭素年代の測定結果からみると、内湖の無機質堆積物の平均堆積速度は予想よりはるかに遅く、西の湖では0.1mm/年程度、小中の湖でも0.15mm/年程度であった。 年代決定の補強に、帯磁率の測定から降灰年度既知の火山灰の堆積深度をみようとしたが、明瞭なピークを認め得なかった。また、稲作の開始時期を知るためにイネのプラントオパールを探索したが、西の湖と曽根沼の底質中にはほとんど観察できなかった。 銅と亜鉛の底質中含量には、近世以後人間活動の影響による増大傾向が認められた。 粘土鉱物組成には長期的な気候変動の影響が認められ、温暖期には雲母粘土鉱物やスメクタイトが減少し、カオリナイトが増加する傾向があった。 曽根沼の堆積物について行った花粉分析では、約2600年前の層準から炭化片の急増に伴って大型のイネ科花粉が出現し始めた。このイネ科花粉の表面構造の観察から、これが栽培イネである可能性が高いと思われ、琵琶湖周辺での原初的なイネ栽培が縄文後〜晩期に始まった可能性が示唆された。この時期の森林の撹乱はまだ局地的であったが、さらに約1200年前からは原生のアカガシ亜属花粉が減少してマツ属花粉が急増し、周辺の照葉樹林の破壊が進み二次林化の進んだことをうかがわせた。このような二度にわたる森林破壊は、湖東地方においてかなり広く認められるものであることがわかった。
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