研究課題/領域番号 |
10660101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
百瀬 春生 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (30219993)
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研究分担者 |
島田 浩章 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (70281748)
田口 精一 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (70216828)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 進化工学 / 実験室内進化 / タンパク質工学 / 低温適応 / ランダム突然変異 / スクリーニング / 酵素活性 / DNAシャフリング / アミノ酸置換 |
研究概要 |
本研究では、酵素の人為的「低温適応化」を目的とし、主としてプロテーゼ(サチライシン)をモデルに進化工学的手法により、低温下で天然型の活性に優る進化型酵素を多数取得してきた。平成10年度は、そのうちのm-63変異体の変異点G131Dに着目し、同部位におけるランダムアミノ酸置換を行い、低温適応化のメカニズムを詳しくタンパク質工学的に解析した。その結果、Pheへの置換が最高活性を与え、同部位の側鎖の大きさが大きいほど、また分極率が高いほど比活性が高い傾向が見られた。また、m-63変異体のもつ3つの変異点のうち、シングル変異体にすると活性低下の方向に働くものがあるにもかかわらず、3点が共存すると最高活性をもたらすことから、低温適応化には正と負からなる複数の変異点の組み合わせによって実現する場合のあることが分かった。さらに、種々の低温適応変異点を組み換えるmutation scramblingの構築も同年に行った。平成11年度は、さらに予定の研究計画を完遂すべく、ランダム変異と異なる進化手法であるDNA shufflingをまず実効した。これにより、10年度に実施したmutation scramblingとともに、サチライシン遺伝子内での種々のキメラ構造を作り、低温適応化への人工進化の可能性を大きく広げることができると期待される。同変異体遺伝子群をDNaselにより断片化後、PCRを用いてアニーリング・増幅させることにより実際にシャフルされる結果を得、同システムの構築が完了した。一方、低温適応進化株の効率的検索を目的としたプレート上でのポジティブスクリーニング系の構築も試みたが、現在のところ高活性体ほど生育に阻害がかかる傾向が見られ、この問題を回避する工夫は今後の課題として持ち越された。最後に、これまでのモデルとしてのサチライシンのほかに、同じく工業的にも環境的にも重要なα-アミラーゼも本研究のモデルとして取り上げ、同様の進化実験を試みたところ、低温適応α-アミラーゼ変異体の取得に成功した。これにより、本研究で扱ってきた実験室内進化システムは、対象がプロテアーゼに限られることなく、種々の有用酵素にも応用しうる汎用性のあることが示された。
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