研究課題/領域番号 |
10660103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野本 信也 筑波大学, 化学系, 講師 (30133028)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 酸水素炎 / ラジカル反応 / 水酸ラジカル / 水素ラジカル / 還元反応 / アミノ酸 |
研究概要 |
申請者の考案した炎水界面反応を利用して、本年度は酸水素炎による次の2種の還元反応の開発研究を行った。 1、炭素・炭素二重結合のヒドロカルボキシレーション 末端二重結合の内側の炭素にカルボキシル基を導入できる有意義な反応である。まず反応溶液の冷却効率が高く、また炎と溶液の接触面積を大きくできる容器の製作を行った。条件検討の結果、基質濃度0.01Mで水素/酸素比5の時最も高収率を与えることがわかった。これらの条件で、アリルアミン、ブテニルアミン、ビニルグリシン、アリルグリシン、など約10種穎の化合物のヒドロカルボキシレーションを行い40%程度の収率で目的物を生成することが明らかになった。 2、ギ酸とアンモニアからのグリシンの生成 この反応を化学進化の立場から見ると、原始地球上で宇宙線や紫外線などの作用で生じる水酸ラジカルや水素ラジカルにより、生体物質の誕生以前に存在したギ酸とアンモニアから、生命を構成する基本的アミノ酸であるグリシンが合成されると言う点で非常に興味深い。溶媒のギ酸濃度は1から30%の範囲で、基質のギ酸アンモニウムは0.001から0.1モル範囲で変化させ、それぞれ水素/酸素比1から5の炎でグリシンの生成条件を検討した。水素/酸素比2、ギ酸濃10%の条件でギ酸アンモニウム濃度に関わりなく高収率を与えることが明らかになった。この反応は途中で必ず還元反応の段階を経ると思われるが、反応中間体の単離には至っていない。従ってギ酸とアンモニアからグリシンが生成する反応機構についても現在検討中である。
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