研究課題/領域番号 |
10660110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加納 健司 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10152828)
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研究分担者 |
池田 篤治 京都大学, 農学研究科, 教授 (40026422)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ニコチン酸 / 6-ヒドロキシニコチン酸 / カラム電解 / 電気化学的完全水酸化反応 / ニコチン酸脱水素酵素 / 絶対微量定量 / 有用物質変換反応 / 電子伝達メディエータ |
研究概要 |
モデル系としてPseudomonas fluorescens TN-5によるニコチン酸の6-ヒドロキシニコチン酸への変換反応に着目し、本反応に対して、フェリシアニドイオンを細胞外電子伝達メディエータとして用いることにより、細胞-電極間の電位移動バイパスを形成させることに成功した。またこのメディエータの酸化還元状態をカラム電解法により電解制御することにより、ニコチン酸の6-ヒドロキシニコチン酸への変換反応を電気化学的に検出・制御できることを明らかにした。また、このようにニコチン酸に対する最終電子受容体として酸素のかわりにフェリシアニドイオンを用いると、このニコチン酸の6-ヒドロキシニコチン酸への水酸化反応を加速できるとともに、6-ヒドロキシニコチン酸の細胞内後続代謝反応が完全に阻害できることも明らかにした。 さらにPseudomonas fluorescens TN-5をカラム電極に固定し、ここにニコチン酸とフェリシアニドイオンを同時に流し電解することにより、ニコチン酸の6-ヒドロキシニコチン酸への100%変換反応を実現した。このような完全変換反応は、通常の好気的条件で達成することは極めて困難であり、その上、本変換反応系では、好気的条件に比べ反応速度が約10倍程促進できる利点もある。ニコチン酸は、農薬合成の出発物質として非常に有用であるため、本変換反応は、貴重な物質変換反応として位置づけられると考えている。 一方、カラムに固定されたPseudomonas fluorescens TN-5内のニコチン酸脱水素酵素を、嫌気条件下でニコチン酸で還元後、フェリシアニドイオンを介して再酸化し、これを電気化学的に検出することにより、Pseudomonas fluorescens TN-5内のニコチン酸脱水素酵素の数を評価することにも成功した。 また、フローインジェクション法とPseudomonas fluorescens TN-5固定化カラム電解法を融合し、ニコチン酸の絶対微量定量に関して検討した。
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