研究課題/領域番号 |
10660168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岡本 忠 近畿大学, 農学部, 教授 (50027067)
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研究分担者 |
北山 隆 近畿大学, 農学部, 助手 (00278730)
高谷 政広 近畿大学, 農学部, 講師 (60154788)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 爆砕木粉 / 微生物酸化 / フェノール酸化 / リグノセルロース / リグニン / フェノール樹脂 / 木材接着 / 酵素酸化 / インデューサー / 酸化 |
研究概要 |
木材接着性物質としてリグノセルロース添加系接着剤について検討を行った。リグノセルロースとしては、単離抽出リグニン、爆砕木粉、および微生物処理爆砕木粉を、また被添加系にはフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、および木質プラスチック複合体系を用いた。爆砕木粉は、試みた総ての系で良好な添加効果を示し、抽出リグニンの添加を上回る接着性を示した。とくにフェノール・ホルムアルデヒド樹脂では顕著であった。その原因について検討を加えた結果、優れた特性は化学的な結合力よりはむしろ物理的な流動性制御によることが分かった。木質プラスチック複合体でも爆砕木粉は優れた添加効果を示し、同様に流動性および密着性の向上がその原因であると結論された。 リグニン添加効果の解析から、多量のリグニンの添加で引き起こされる接着剤組成物の接着特性低下は、リグニン中のメチルエーテル構造に由来する反応点の少なさに起因すると指摘されている。そこでシトクローム型遷移金属錯体を触媒とするモデル酸化系によるメチルエーテル結合の開裂を検討し、穏和な条件下で反応が進行することを確認した。しかし、固体状態での触媒反応は効率が悪いので酸化酵素を含有する微生物の利用に着想し、微生物処理した爆砕木粉について添加効果を調べた。木材腐朽菌ほか数種の菌で条件を変えて爆砕木粉の処理を行ったところ、生成物は接着剤添加物としていくらかの効果を示すものもあったが顕著ではなかった。続いて木材腐朽菌が種々のインデューサーで活性を著しく向上させる知見に基づき、インデューサー添加効果を検討した。微生物を利用するため研究の進捗が遅く、今日までに得られた結果は硫酸マンガン添加系のみではあるが、一部の菌および条件で優れた効果が認められた。残りのインデューサー添加系については検討を継続中である。
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