配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
全地球的な食糧供給の必要性と環境保全の高まりのなかで,漁業についても持続的開発を可能とする生態系保全型の生産技術が要求され,混獲投棄の減少と脱出魚・放流魚の生残性が重要研究項目として注目を浴びてきている。本研究は,漁具に遭遇しながら漁獲に至らなかった個体について,漁獲ストレスという観点から健常性,生残性を検討するものであり,最終目標としては各漁具種類別に生態系,生物多様性へのインパクトを指標化して,今後の資源管理方策に技術的指針を与えるものである。3年間での研究内容としては釣り,刺網,定置網,トロールといった各漁具によって漁獲された個体について,水槽飼育による生残性の確認試験と,血中コルチゾール濃度の測定によるストレス判定を行った。同時に水槽実験による漁獲シミュレーションにより,操業実験では確認できない漁獲過程で与えられるストレスの詳細を確認した。特に最終年度に実施した内容として,トロールで漁獲されたカレイ類とマアジについて同様に水槽飼育による生残性とストレス測定を行ったが,対象個体が網内でどのようなストレスを受けたかの確認ができず,測定結果にばらつきがみられた。このことについて,水槽実験によって強制遊泳並びに網地への張り付きという漁獲シミュレーションを実施し,同時に,心電図測定並びに血中乳酸濃度の測定により,実験魚の疲労との関係を確認している。この結果として,強制遊泳そのものではなく,網地への張り付きによって筋肉疲労が顕著であり,またストレスも高まることが明らかになった。 漁獲行為が魚類に及ぼすストレスの評価については,世界的にも研究が始められた段階であり,コントロールの設定やコルチゾルレベルの評価等について,本研究を通じて実験の方法論が確立されたものと考える。今後,より広範な漁業種,対象魚種への対応を目指すことで,最終目標である生態系へのインパクトの評価につながることが期待される。
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