研究課題/領域番号 |
10660186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小田 達也 長崎大学, 水産学部, 助教授 (60145307)
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研究分担者 |
畠山 智充 長崎大学, 工学部, 助教授 (50228467)
石松 惇 長崎大学, 水産学部, 教授 (00184565)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 赤潮 / プランクトン / 活性酸素 / 毒性 / シャットネラ / ラフィド藻 / レクチン |
研究概要 |
Chattonellaの活性酸素産生に対するレクチンの一種であるコンカナバリンA(Con A)添加の影響について化学発光法により調べた結果、濃度依存的にスーパーオキサイド産生量が上昇することを見出した。さらに、糖特異性が異なるいくつかのレクチン(リシン、CBH、WGA等)についても同様に調べた結果、いずれのレクチンもChattonellaのスーパーオキサイド産生量を上昇させることがわかった。これらレクチンの作用はそれぞれの特異的糖で阻害されたことから、レクチン分子の糖鎖を介したChattonella細胞表層への結合が刺激となり、スーパーオキサイド産生量の上昇を引き起こしたものと推定された。一方、過酸化水素産生量はこれらレクチン添加で影響されなかったことから、スーパーオキサイドと過酸化水素産生は異なる機構によると考えられる。哺乳類由来の白血球(好中球やマクロファージ)はレクチンの他、ホルボールエステル(TPA)やある種の脂肪酸の刺激によっても活性酸素産生が誘導されることが知られている。しかしながら、Chattonellaの場合、TPAや脂肪酸ではスーパーオキサイド産生量は影響されなかった。従って、Chattonellaにおいても白血球と同様外部からの刺激に応答する機構が存在するものの、刺激受容体及びその伝達様式は異なるものと推察される。一方、予備実験の段階であるが、ブリ、タイ、ヒラメより調整した鰓組織由来の粘液物質添加においても、Chattonellaのスーパーオキサイド産生量の上昇が引き起こされることを見出した。この知見はChattonella曝露後のブリの鰓組織が多量の粘液物質で覆われるとの観察結果と共に、Chattonellaの魚毒性機構を解明する上で大変興味ある点である。現在、鰓粘液物質中の化学的分析を行っているが、多糖類画分に活性が見出されている。
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