研究課題/領域番号 |
10660187
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
萩原 篤志 長崎大学, 水産学部, 教授 (50208419)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 海産ツボワムシ / 小型種 / 休眠卵 / 保存 / 種苗生産 / Brachionus rotundiformis / 休眠卵量産 |
研究概要 |
海産ツボワムシ類(小型種)の耐久卵形成機構の解明 採集した20株のうち、両性生殖を発現したのは8株で、そのうち、ハワイ株、マレーシア・ランカウィ島株、甑島株、インドネシア・マナド株、タイ株、フィジー株の発現頻度は30%以上に達した。いずれも水温30℃以上、塩分16pptで発現が促進された。休眠卵形成率は、ハワイ株とランカウィ島株で特に高く、休眠卵量産の適株と判断された。HPLC分析によって、大型種、小型種とも、γアミノ酪酸、5-HTが体内から検出され、ワムシの神経伝達物質として機能していることが示唆された。次に、小型種から抽出した性フェロモン(糖タンパク)に対し、ポリクローナル抗体を作成してアッセイ試験を行った。その結果、甑島株から作成した抗体は、浜名湖株、スペイン株以外と良く反応した。また、これらの抗体を反応させたメスに対して、オスの交尾行動が顕著に抑制された。他のワムシ株がコンタミしても、休眠卵形成に対する影響は、大型種の場合ほど顕著ではないと推察された。 小型種の耐久卵量産、保存、孵化 ハワイ株と浜名湖株を0.5トン水槽(各株毎に3水槽を使用)内で、15日間培養(4日に1回間引きを実施し、フィルターを1枚使用)した。培養条件は、30℃,16pptとし、餌料には凍結ナンノを用いた。間引きは3日に1回実施し、間引き後にワムシ密度が400個体/mlとなるようにした。 ハワイ株は順調に増殖し、3水槽での休眠卵形成数は700万、500万、110万だった。 浜名湖株の両性生殖誘導は培養初期の5日目までに集中的に起こり(誘導率30-50%)、以降はほとんど起こらなかった。受精個体は15日間の培養期間のうち、2-3日しか現れず、間引き培養によって両性生殖を高い割合に維持しようとした試みは、うまく機能しなかった。しかし、3水槽での休眠卵形成数は6500万、7900万、2700万で、ハワイ株よりも多数の休眠卵を得ることができた。 形成された休眠卵は、既に大型ワムシ種に対して確立した凍結乾燥方法で長期保存でき、ふ化率50-60%を得た。
|