研究課題/領域番号 |
10660249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物環境
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研究機関 | 東京農業大学 (1999) 宇都宮大学 (1998) |
研究代表者 |
石原 邦 東京農業大学, 国際食糧情報学部, 教授 (70014925)
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研究分担者 |
渡辺 聖文 東京農業大学, 国際食糧情報学部, 助手
高橋 久光 東京農業大学, 国際食糧情報学部, 助教授 (90078204)
平沢 正 東京農業大学, 農学部, 教授 (30015119)
和田 義春 宇都宮大学, 農学部, 講師 (80201268)
三浦 邦夫 宇都宮大学, 農学部, 講師 (30091953)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | マングローブ / ヤエヤマヒルギ / 植生の修復 / 地下水 / 塩分濃度 / 土壌水 / 海水 / 吸収 / 根域の土壌水 / 水吸収 / マングローブ植物 / 根域土壌 / メモリー塩分計 / 植生修復 |
研究概要 |
本研究の目的は、マングローブ植生の修復の基礎として、海水域に生育するマングローブ植物根域の土壌水の塩分濃度を調査し、海水と葉内の水の水ポテンシャルの比較及び海水と木部内の水のO^<18>同位体比の割合の比較から導き出した仮説すなわち海水域に生育しているヤエヤマヒルギは陸地から海に直接流入する地下水によって薄められた海水を吸収しているという仮説を実証することにある。 西表島の船浦ナダラ橋周辺の海岸および平坦で河川が無い宮古島の島尻の入江の海水域に生育するヤエヤマヒルギの根域の土壌水の塩分濃度を超小型メモリー水温塩分計で長期間連続して測定した。その結果、西表島、宮古島のいずれも、ヤエヤマヒルギの根域の土壌水の塩分濃度は海水より、0.5〜1.0%、気象条件によっては2%以上低くなり、ヤエヤマヒルギは海水よりかなり低い塩分濃度の水を吸収していることが明らかとなった。なお、宮古島で測定した1地点は入江の出口近くにある海に囲まれた陸地から離れた場所であったが、ここに生育しているヤエヤマヒルギの根域の土壌水の塩分濃度も海水より0.5%低かったことは注目すべきことであった。さらに土壌水の塩分濃度は日によって、また1日の時刻によって変化したが、この変化は、降水量、潮の干満および土壌の性質とくに透水性の影響を受けている結果であることも解った。 以上の結果と本研究の結果とから、マングローブ植物の根域の土壌水の塩分濃度が海水より低いのは地下水の影響を受けているからであることが明らかになった。したがって、マングローブ植物すくなくともヤエヤマヒルギ植生の修復のためには、河川、伏流水に加えて地下水が土壌中に流入していることが必要であると推察された。
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