研究課題/領域番号 |
10660257
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
畜産学・草地学
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
黒川 勇三 東京農工大学, 農学部, 助手 (00234592)
|
研究分担者 |
田中 治夫 東京農工大学, 農学部, 助手 (20236615)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
|
キーワード | 草地 / 放牧 / 採草 / 土壌 / 土壌中無機態窒素 / 窒素収支 / 補助飼料 / 施肥 / 土壌中無機機態窒素 / 窒素施肥 / 牧草収量 / 溶脱 / 土壌中硝酸態窒素 / 牧草中硝酸態窒素 / 硝酸態窒素溶脱量 |
研究概要 |
牧草地(0.9ha)を、放牧専用草地と採草・放牧兼用草地とに分けて利用した場合の、それぞれおよび全体の牧草と放牧牛の生産量、窒素の収支(1999年と2000年)、土壌中窒素含有率(2000年のみ)を調べた。牧草はオーチャードグラス、トールフェスク、シロクローバーの混播であった。1999年は牧草を乾草として収穫した後、化学肥料を施用した。2000年には施肥は行わなかった。放牧牛は、1999年はホルスタインと黒毛和種育成牛(合計4〜5頭)、2000年は黒毛和種育成牛(3〜4頭)とした。放牧牛には配合飼料およびヘイキューブを補助飼料として給与した。 牧草窒素生産量は、放牧期間が長い草地ほど高い傾向にあった。牧草窒素採食量も同様な傾向にあり、放牧牛が増体として蓄積した窒素、糞尿として排泄した窒素についても、同様であった。窒素surplus(投入量-生産量)は、草地の利用形態の間で、大きな違いはみられなかった。土壌中の可給態窒素含有率は、夏にピークをもつ季節的推移を示したが、草地の利用形態の間で明確な違いは認められなかった。同じく無機態窒素含有率は、放牧期間の長い草地において、高い傾向を示した。年次間で比較すると、面積あたり放牧牛の増体蓄積窒素量は年時間で大きな違いはみられなかったのに対し、窒素surplusは、1999年に比べて、2000年のほうがかなり低い値になった。 放牧期間の長い草地における高い牧草生産量は、無機態窒素含有率が高いことに起因すると考えられ、このことはさらに、放牧牛の糞尿排泄量が多いことに起因すると考えられると同時に、放牧牛の糞尿排泄に起因する硝酸態窒素溶脱量が多いことが推察される。可給態窒素含有率に草地間で違いが認められなかった原因は、明らかにできなかった。1999年のほうが窒素surplusが高く見積もられたのは、この年に化学肥料を施用したことが原因と考えられる。また、2000年の春刈り取った牧草の収穫量が高かったことも原因の一つである。 窒素溶脱量の測定が今回できなかったため、放牧を含む草地管理と窒素溶脱量および土壌への窒素の蓄積量との関係を明らかにすることはできなかった。草地管理の方法を改善して、牧草生産量をより高め、窒素surplusが低減した条件での窒素溶脱量の測定が今後の課題として残された。
|